オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

音楽

表現の土台 うねる振り付けを踊るには?

今日、海外のコンサート中継を見ていましたら、バックダンサーで気になったことがありました。 非常に面白いといいますか、重要なことを改めて考えさせてくれたんです。 4人の女性バックダンサーの中にひとり、日本人と思われる人がいたんです。 他の3人は中…

お腹から声を出す? 〜西洋の発声 和の発声 3〜

お腹から声を出す。腹式呼吸で発声する。 歌や芝居、あるいは会議なども?非日常的な場面では、大事なことかと思います。 先日の「声から身体をつくる」クラスで、参加者のひとりが 「お腹から声を出すって、お腹から出すのではなくて、お腹を使うってことだ…

西洋の発声 和の発声 2

前回のお話の続き。 日本語は子音と母音がくっついていますよね。 例えば、「か」は「k・a」ではない。 英語などは子音と母音が分かれているので、例えば、「thanks」といったように子音が続く(th、nks)ことが普通にあるわけです。 で、この手の発音が日本…

子音を響かせる!?和の発声 〜西洋の発声 和の発声 1〜

オペラなど西洋的な発声と、能の謡など和の発声。 明らかに大きな違いを感じますよね。 ところで、 和の発声は、喉を締め上げる? でも腹から? 唸ってる・・・ 西洋の発声は、開放的で明るい感じ。頭声・胸声? 腹からではない? 和の発声は、喉声という言…

欲と不安で「する」になりがち

表現といいますと、日常生活から離れた特別な行為のように思ってしまいますけど、私たちは日頃から常に表現しているんです。 家族といるときと、仕事関係の人といるときと、友達といるときと、それぞれ違う顔ですよね? それは表現。 ただ、表現しているとい…

大切なふたり 新たな理論へ

ここのところ、身体の進化・深化が加速していまして、楽しくて仕方ないのですけど、そこには大切な二人の人の存在がありまして、今回はそのお話。 ひとりは前回の記事のバレエの先生、優子さんです。 直接習ったことはないのですが、ツイッター(現X)や記事…

音楽の豊かさ。 「間(ま)」の豊かさ。

歌は語るように 語り(セリフ)は歌うように 聞いたことありますか? 踊りとマイムの違いは、歌と語りの違いに似ています。 多くの人にとって、マイムより踊りへの関心が高いと思うんですけど、バレエ、日本舞踊はもちろん、フラやベリーダンスなども、演じ…

伸び代、どれくらいかの判定?

自分の外への関心、内への関心。 外と言いましても、他者や社会という意味ではありませんけれど、 これ、どちらかに偏りがちです。 偏りはいくらかあるものですけれど、大き過ぎる人が多いようです。 それも、自分の外への関心に。 先日、SNSでこんな言葉を…

人間の身体だけ

ソプラノの歌とアートマイム・・・それも歌はアカペラ。 人間の身体だけ。声だけでの表現と、動きだけでの表現。 歌とダンスの組み合わせはよくありますし、その際、一般的には伴奏として楽器が入りますね。 けれど、来月2日の公演では、本当に声だけ。 そ…

求心性の感覚・遠心性の感覚

身体の使い方は柔らかくても、絵を描かせると硬い感じであったり、 絵は上手いのに、字は下手だったり 文章を書かせると饒舌なのに、口下手だったり、 サッカーは上手いのに、ボールを投げるのは下手だったり、 足は速いのに、カナヅチで泳げなかったり、 一…

世界を、自分自身を、音で捉えたことがありますか?

世界を、自分自身を、音で捉えたことがありますか? 自覚はしていなくても、感覚に大きな影響を与えている、耳には聞こえない音があります。 無音の音です。 無音の音は聴覚で捉えるのではなく、触覚的に捉えているとも言えます。 身体も心も、音とともにあ…

無線と有線 〜全身のつながり方〜

全身がつながって動けるかどうか? 身体の使い方として、とても重要なこと。 昔の私もそうでしたけれど、多くの人はつながっていなんです。 全身を動かすことと、つながって動けているのとでは、 全く違うことなんです。 このことを理解出来るのは、つながっ…

動きの引き出し

「引き出しが多い」という言い方がありますよね。 話の引き出しが多いといったような。 何かアイデアを出す際にも、引き出しの多さが大事だと言われたりしますね。 これ、動きでも通じるところがあるのではないかと思うんです。 例えば、サッカーでは「アイ…

潜在的な力を引き出す

スタッカートにつながり感を出したい ここのフレーズに、疾走感を出したい 本番の演奏で使うピアノは鍵盤が軽いので、それに合ったタッチにしていきたい ある方のピアノの個人レッスンで、こんな感じのリクエストがあるんですね。 何度も言いますけれど、私…

ダンスを見せてしまっては、失敗??

踊ってしまうと、それはダンスになってしまう。 ですから、私たちの身体表現アートマイムでは、踊ることはないんです。 けれど、一般的な大きな括りでいきますと、 ダンスとされがち。 演劇という括りにはならない感じがあるんですよね。 で、一旦その括りの…

リズムの取り方 エリザベス女王の即位70周年記念の動画から

以前から気になっていたのですけど、 そのことをハッキリと見せてくれる動画が、 まさか、エリザベス女王の即位70周年記念の動画だったとは!? www.youtube.com ご覧いただくと分かりますが、 パディントンはどうでもいいんです(笑) 最後の群衆の手拍子。…

「カラオケバトル」から

「カラオケバトル」というテレビ番組があります。 ご覧になったことありますか? もう何年も続いている人気番組です。 要は、歌の審査を人間を介さず一切機械で行なうという 潔い番組なんです。 歌のうまさは機械では測れない! と思うかどうかとは、全く関…

下手には下手の理由がある

自分の歌の下手さを考えることで 身体表現や運動で上手くいかない人のこと、 見えてくるものがありますね。 私は自分が歌が上手いとは思っていないのですけど、 それほど酷くもないだろうと思ってるんです。 ですけど、まぁ、残念なことに、 カラオケアプリ…

スピッツの高音にトライ!

ゴスペルの教室に通い始めた当初、 男性パートの音域の高さに ビックリしました。 私の場合、しっかり声を出せるのは、 当時、バスに相当する音域 だったんですね。 けれど、求められるのはテナー。 それも、ほぼほぼ、 テナーの中での高い音域に い続けなけ…

お腹から声を出すって、実際のところどういうこと?

「お腹から声を出す」って よく聞きますよね? 歌や芝居などをされていますと 「お腹をしっかり使って」 と言われることが多いのではないでしょうか? 「お腹に力を入れる」 ということもあるかもしれません。 『声(音)を身体に響かせる』というワークショ…

日本人はどうして英語の歌が歌えないのか?

ゴスペルの先生曰く 魅力的に歌うコツのひとつとして、 「ローーーード」 ではなく、 「ロオーーーード」 といった感じにするといい。 こういうことって、 なんとなく分かっていた気がする とは思うものの、 こうして明確に言葉にしてもらえると、 全く違い…

和の声、西洋の声 3

前回の続きです。 このお話、今回で一旦終了です。 ※『和の発声、西洋の発声 2』 ※『和の声、西洋の声 1』 これまでのことから、 和の発声には、自然界の音に近い音で、 かつ倍音で高音を出すことが求められるのですね。 そうしますと、 ホーミー的な発声…

和の声、西洋の声 2

前回の続きです。 ※『和の声、西洋の声 1』 発声の「圧縮力」 ですが、 能の謡は、強く、 ゴスペルは、無い。 謡は「うねる」感じ あるいは、「絞り出す」感じがあります。 ゴスペルには、そういったものはなく、 だからこそ、明るく発散的な印象になるわけ…

和の声、西洋の声 1

発声について、このところいろいろな気づきがあり、 興奮冷めやまらぬ感じです。(笑) 能の謡という和の発声と、 ゴスペルという西洋?の発声、 両方に取り組んだことが ここにきて、大きな意味を持ち始めました。 ところで、 ゴスペルは黒人教会音楽(歌)…

声帯も筋肉で。

身体の使い方を学ぶとは、 様々な筋肉の力の入れ具合の調整力を学ぶ ということでもありますけれど、 声帯も筋肉でコントロールするんですよね。 (声帯自体は、筋肉ではありません。) 少し前にお話したことがありますが、 これは、私には厄介な課題です。 …

『現代音楽と能』を観て思う。

先日、ある舞台を観に行き あらためて考えることがありました。 それは、以前からお話していることですが、 「技術と内容の釣り合い」 です。 観に行った舞台は 『くちづけ~現代音楽と能~』 です。 青木涼子さんという女性能楽師が (正式には能楽師という…

名曲「クリスマスイブ」のカバーが甘くなる理由

前々回、山下達郎の声の魅力の秘密についてお話しました。 ※『山下達郎と能の謡』 そのきっかけとなったのが、 あの名曲「クリスマスイブ」でした。 カバーする人は、プロアマ問わず多いですよね。 その多くは “甘い” 感じの歌い方 という印象があります。 …

山下達郎と能の謡

12/15,16 ワルシャワ公演にて クリスマスの定番曲である 山下達郎の「クリスマスイブ」が聞こえてきて、 ちょっと合わせて歌ってみたとき、 はっ!と気がついたんです。 それは・・・ 山下達郎の声のカッコよさの秘密… 能の謡と同じ発声方法にあり! と思い…

自分の声に出会う

自分の声… どんな声か? 「自分の声」というものに こだわりがありますと、 自分の声と出会えない。 そう思うんです。 身体の動きでも同じですけど、 スポーツなどで「自分のフォーム」 へのこだわり。 身体表現での 自分の動きへのこだわり。 そのこだわり…

天の神の声。大地の神の声。

能の謡いを習い始めて、半年が経ちます。 といいましても、カルチャーセンターで2週に1回20分ほどですけど。 あとは、やはり2週に1回、 本当の稽古場で他の方たちが、一斉に謡っているところに交じって 謡っているといいますか、聞いているといいますか……