やり方は、あくまで「やり方」。
やり方が出来るようになることが重要なのではなく、
本来出来るようになって欲しいものが、
出来るようになるかどうか？です。
というお話、当たり前過ぎますでしょ？
けれど、この手のお話は、
お話として聞けば当たり前ですけど、
実際には、こういった落とし穴にはまっていることに
気がついていない人が多いんです。
例えば、健康のためにヨガをやっているとしましょう。
けれど、ヨガが出来るようになろうとしてしまっていませんか？
スポーツパフォーマンスを上げるために
ピラティスをやっていて、
ピラティスが出来るようになろうとしていませんか？
（ちょっと違う話ですけど）
音楽を奏でるためにピアノをやっているはずが
ピアノが上手になるようにしていませんか？
この手のお話は、扱いが難しいです。
ここで耳が痛いと感じられる人には、
お話を続けられますけれど、
「出来るように、上手になろうとして、何が悪いの！」
となる人には、
聞いてもらえるかどうか、怪しい。。。
まず、ヨガやピラティスに代表される
あらゆるメソッドやエクササイズ、
これらは、すべてそれ自体が目的ではないはずなんですね。
（ヨガは、また扱いがややこしいですけど・・・）
健康のため、パフォーマンスアップのため
あるいは、幸せになるためというように、
「〇〇のため」なんです。
（「〇〇のため」も、さらにその上の「〇〇のため」があるんですけど、
深入りはしないで続けますね。）
ですから、〇〇が達成されるのであれば、
その方法はなんでもいいはずなんです。
例えば、私は舞台での感情表現をただの思いの強さ、思い込みではなく、
身体と一致させて、観客の身体に浸透する表現のために
「エモーショナル・ボディワーク」という方法を提案しているのですけど、
求められている表現が出来るのであれば、
この方法である必要は全くないわけです。
つまり、「エモーショナル・ボディワーク」が出来なくてもいい！
ところが、習ってしまいますと、
そのやり方で出来ないといけないのではないかと
勝手に思い始めてしまうんですね。
ということが、
ヨガやピラティスでも起きるということなんです。
それ自体が出来るに越したことはないけれど、
その先の、本来の目的に近づいているの？
なんです。
（ここの判断が難しいんですけどね。。。）
で、いつも言うように、
それ自体が趣味というのでしたら、
それはいいんです。
それ自体が目的であって、
健康になったとしましても、それは副産物。
パフォーマンスが上がったとしましても
やはり副産物。
副産物よりも、それ自体の方が大事ですから、
極端な話、体を壊してでも、ヨガが出来る方が重要ですし、
パフォーマンスが落ちても、ピラティスが出来る方が重要です。
それは全く悪いことではありません！
ただ、何度も言いますけれど、
なんのためにやっているのか？
健康のため、パフォーマンスアップのためであれば、
完全に間違っていますよね？
ということ。
ピアノのお話も、
上手になることと音楽を奏でることは、大きなつながりがあるでしょうけれど、
上手になれば音楽を奏でられるかといえば、そんなことはないわけです。
カラオケの点数が高いことと、人の心に届く歌かどうかは、違う。
といえばいいでしょうか？
さて、最後に。
私は、生徒さんに良い状態になってもらうために、
いろいろなやり方を提案します。
レッスン中に突然閃くことは多いです。
一方、忘れてしまうやり方も多いです。
つまり、やり方はどうでもいい。
本来の目的が達成出来れば、いい。
私の言うやり方を全部、出来るようにと真に受けてはいけない。
一方で、全ては同じことだと考える必要がある。
ややこしいですけど、ほんと。
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