一所懸命に取り組んでいるけれど、壁を乗り越えられない。
行き詰まりを感じる。
そして、自分では特に〇〇に問題があり、
そこを改善できれば、何か大きく変われるのではないかと思っている。
といったこと、多くの人にあるのではないでしょうか?
けれど、一方で、
その〇〇の問題を、なかなか解決出来ないでいる。
個人レッスンで、このようなことで相談を受けることがあります。
では、その〇〇を直接改善するようなことをすると良いかと言いますと、
私はそうは思わないんですね。
例えば、
包丁を上手に使えないと思っていたら、
単に刃こぼれしている包丁だった。
研げば済む問題だったところを、
わざわざ、苦労して包丁の扱い方を学んでいた。
研ぎ方を学ぶのと、
刃こぼれした包丁の使い方を学ぶのと、
どちらが優先順位が高いか?
どちらの方が、食材がキレイに早く切れるか?
私は個人レッスンの場では、
〇〇の問題を解決したいということであっても、
それを含めて困っている点について、色々とお聞きした上で、
まずは、踊りでしたら、少し踊っていただきます。
芝居でしたら、少し演じてもらいます。
走りでしたら、少し走ってもらう。
その上で、それをしている時に、
何を意識しているのか?
先生からはどう言われているのか?
どのような指導を受けているのか?
自分では、どう感じているのか?
といったことを、尋ねます。
つまり、本当に〇〇に問題があるのか?を見極めたいわけです。
もちろん、〇〇に問題が無いということはないのですけど、
直接、その〇〇の改善に取り組むのが、本当に良いのかどうか?
その確認なんです。
(それと、
何をしようとしていて、どうなっているのか?という、
意識と実際の動きの関係を把握したいということもありますし、
さらには、
その人の先生の教えを、無闇に否定しないようにするため、
その人が自分の先生を否定しないようにするためでもあります。)
そして、(料理の時の)そもそも刃こぼれしているのでは?
ということが分かれば、
包丁を少し研いでもらう。
で、切ってもらう。
といった感じなんです。
結果として〇〇の問題が解決するようなことをしたほうが、
その人が、思っていた以上の成果が上がる!
これは、とても大事なことだと考えていまして、
多くの人は、〇〇の問題が解決されれば、
色々と上手くいくのではないかと期待するのですけど、
その〇〇の問題が起きてしまう、
もうひとつ奥にある問題を解決できれば、
その〇〇の問題は消えてしまうんですね。
その〇〇の問題に直接アプローチするのは、
非常に親切なようですけれど、
問題解決したように見えても、
その奥の問題が解決していませんと、
実は、〇〇の問題の解決も、
低いレベルでの解決になってしまう。
私はそう考えるんですね。
〇〇の問題を解決したいわけではないはず。
ただただ、より良くなりたいはず。
そう思うのです。
DVD『「動き」の天才になる』
新著『「動き」の天才になる!』(第4刷決定!)
2022年初夏 「シアターカイ国際舞台芸術祭」の舞台に立つことを目指します!