脚力があることと、踏む力があることと、同じように思われることが多いかと思います。
昔の私でしたら、同じだと思ったと思います。
けれど、これ、違うんです。
脚力がありましても、踏めなかったりするんです。
? どういうこと??
と思われますよね。
脚力といいますのは、字のまま脚の力ですね。
踏むというのは、脚で踏むわけですけど、
なんの力か?といいますと、
お腹なんです。
お腹の力で踏むんです。
もちろん、お腹に力を入れたからといって
踏めるわけではないですよ。
それでは、ただお腹に力が入るだけですから(笑)
基本的には、脚の力を抜いて踏むことが大事なんですね。
そうしますと、自然とお腹が働きます。
まぁ、この感覚がパッと掴めたら苦労しないわけですけど・・・
それはそれとしまして、
踏むといいますのは、脚の力ではなく、
お腹から脚を通して足裏・つま先まで力を通すことなんです。
この通り道を作るのに、
脚の筋力が邪魔をしてしまうことがありまして、
例えば、中腰の姿勢ですが、
理想は踏みたいんですね。
踏めますと、脚が楽になり、体全体が一つにまとまりやすくなるんです。
けれど、脚力が強い人は、
その脚力で支えられてしまうがために、
上半身はただただ休んでしまい、体は、変な言い方ですけれど、
だらけてしまうんですね。
脚力の弱い人が、同じことをしますと、
脚が耐えられないのですけど、
強い人は、これが楽なんです。
先ほど、踏めると脚が楽になるといいましたけれど、
この楽さとは全く違う質の楽さなんです。
筋力が強くて楽といいますのは、これまた変な言い方ですけど、
筋力を使っている感覚が意識に上がってこない鈍感さゆえ。
といった感じなんです。
さて、踏むといいますのは、
通常は下方向への力になります。
きちんと踏めますと、必ず上方向の力が生じます。
それは主にお腹で生じまして、
だからこそ、体全体が一つにまとまりやすくなるんですね。
ところが、脚力の場合は、上方向への力が生じづらい。
そもそも、といいますか、だからこそ上半身が休んでしまうわけです。
おそらくですけど、
日本人の脚が太くなりやすい原因の一つに
この踏めなさがあるのではないかと。
お腹の力で踏めないがゆえに、足の筋力が発達してしまう。
また、バレエなどで「引き上げ」が強く言われるのも、
踏むことで生じるはずの上方向へのエネルギーが無いために、
脚は脚で頑張り、上方向は上方向で頑張る!みたいな感じになってしまうのではないかと。
ちなみに、踏むのはお腹の力だからといいましても、
体幹を鍛えることとは別物です。
最初の方でお話しましたように、あくまでお腹から足先までの通り道ですから、
お腹周りの筋力の強さとは関係ないんです。
ということで、脚の筋力が強いと自分が踏めてないことに気がつきづらいのですが、
まずは踏めていないのでは?と思ってみて、
踏んだ時に、どの程度上方向の力がお腹に働くか?
観察してみてはいかがでしょうか?
アートマイム公演 2月8日(火) 公演写真 次回は8月22日(月)