リハビリとボディワーク、そしてトレーニング。
この違いと類似点を分かっていませんと、
身体との取り組み方が有効に活かされないのではないかと思います。
3回に分けてお話します。
最後には、身体の使い方の「発想」ということにも言及します。
リハビリとは、
機能低下などマイナスの状態になってしまったものを、
元に戻すようなものです。
それに対しまして、トレーニングというのは、
「今」を出発点とした能力アップです。
ボディワークはといいますと、
「今」が実はマイナス要素を含んでいるという視点で、
本来の元の姿にするものです。
かなり大雑把かとは思いますけれど、そう間違ってはいないと思います。
で、さらに分かりやすくするために、
リハビリ/マイナス→ゼロ
トレーニング/ゼロ(あるいはプラス)→もっとプラス
ボディワーク/一見ゼロだがマイナス→本来のゼロ(=上記2つのゼロとは異なる)
リハビリは医師の診断に基づいて行なわれるものですから、
一時的なものですし、一般的には縁の薄い世界ですね。
リハビリは、ある時点で卒業する類いのものです。
そこから先は、トレーニングになります。
(リハビリはマイナス→ゼロまでの限定トレーニングで、
ゼロから先が、いわゆるトレーニングという意味です。)
トレーニングは運動系の部活動の経験があれば、必ず行なっているでしょうし、
筋トレやストレッチ、ウォーキング、ランニングにヨガやピラティスなども、
ここに入りますから、多くの方に馴染みのある世界ですね。
ボディワークは、最近でこそ知られてきましたけれど、
まだ馴染みのない世界でしょう。
ちなみに、世界3大ボディーワークといわれるものは、
アレクサンダー・テクニーク、ロルフィング、フェルデンクライス・メソッドです。
(ヨガやピラティスをボディワーク的に捉えている方もいらっしゃると思いますが、
ここではひとまず横に置いておきます。)
ここでまた、かなり大雑把ですけれど、それぞれ何を鍛えるのか?
分かりやすくするために、
リハビリ/筋トレ・ストレッチ系+神経系
トレーニング/筋トレ・ストレッチ系
ボディワーク/神経系
これまでは身体のこととなりますと、
筋トレ・ストレッチ系の世界で何をするか?だったのですけど、
神経系を鍛えることによって、運動能力が上がるということに注目されたんですね。
となりますと、筋トレ・ストレッチ系も神経系も扱うリハビリが、
一番いいように思えますけど、
リハビリは、ある時点で卒業する類いのものです。
マイナスからゼロに戻るまでで、そこから先は、トレーニングになります。
ところが、トレーニングになると、神経系はあまり触れることがなくなります。
というのは、リハビリでの神経系は、機能低下しているがための
否応無しの中で神経系を鍛えるだけですから、それなりに復活しますと
あまり問題にはされません。
そもそも神経系というのは、身体を積極的に動かすものではありませんから、
元気な人からしますと、もどかしいだけのものなんです。
リハビリを終えたら、その先はトレーニングになってしまいますよね。
極端な言い方をしますと
トレーニング/積極的、外向的
ボディワーク/受動的、内向的
身体を動かすのに、受動的、内向的というのですから、
つまり、神経系ワークは楽しみづらい、達成感の得られづらいものなんです。
次回につづく。