オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

表現は正解がないから素晴らしいって、ほんと?

表現は正解がないから素晴らしい

・・・ほんと?



ここに大きな問題が潜んでいます。


ごく大雑把に言ってしまいますと、
正解はあります。

表現の場で、正解を設定しないがために
いろいろと問題が起きるのだと思うんですね。


(前回お話した、「意欲」との混同など)



ここでは、作品全体ではなく、個人の個々の表現についてお話しますね。



例えば、
「拳を振り上げる」
という動き(あえて表現とはいいません)をするとして、

どう動けばいいのでしょう?

力強く? 素早く? きれいに? 荒々しく?

どこまで振り上げればいいのでしょう?

顔の高さ? 頭の上? 頭の後ろ? 肩の高さ?


決めようがありませんよね?(笑)


どうしてか?



なんのために「拳を振り上げる」のかが、
提示されていないから。


「拳を振り上げる」ことで、何を伝えたいのかが
提示されていないから。


ですね。



10年以上前でしょうか?
コンテンポラリーダンスのワークショップに参加したとき、
振付で、こんな指示がありました。

「端から歩いてきて、後ろを振り返って。」

私は???

「どう歩いて、どう振り向けばいいですか?」
「この人は、何を理由に振り向くんですか?」

返って来た応えは

「普通に歩いて、普通に振り向けばいい。」



・・・まぁ、こういうものも、
振り付けするほうには、何かイメージがあって、
それにそぐわなければ、
「いや、そうじゃないんだよなぁ。。」
みたいなことになるはずですよね。



で、その、提示されないイメージこそが、
今回のお話でいう、

「正解」

にあたるわけです。



先ほどの「拳を振り上げる」でも、そうでしたけれど、

その動きで何を伝えたいのか?表現したいのか?


そこに正解があるはずなんですね。



ですから、ダンスでの「歩いてきて振り返る」が
緊張感を出したいのか?とぼけた味を出したいのか?で
全く、違う動きになり、
単に、動きがきれいと、キレがあるとか、そんなことではなくなるように…
(「きれい」だとしても、「きれい」の基準によって変わってきますね)


「拳を振り上げる」のも、仮に力強くだとしても、
表に出すのか?内に秘めるのか?でも全く違ってくるわけです。


もし、正解を設定しないままに、

拳を振り上げる動きを稽古することになったとしたら、
(観る側としては、その表現の良し悪しの判断)
それは、もう困ってしまいますよね?


正解のないものは、どれだけ稽古を積んでも・・・

いえ、そもそも、稽古のしようがない。。。


では、だれでも拳を振り上げる動きができるか?
というと、意外に難しいものなんです。


だからこそ、稽古が必要なんですけど、
正解を設定しない稽古は、稽古ではありませんでしたよね。


ただ、体力と気力を養うだけになってしまいます。



この拳のお話は、正解があることの重要性の、単なるひとつの喩えですので、
あまり深入りはしませんけれど、
一応、どんな稽古が可能か?お伝えしますね。


拳を振り上げる動きで大事なのは、どんな場面設定であろうと、
拳に、その人の暴力的(肉体的)なエネルギーが集まっていることです。
同時に、そうさせる気持ちがあり(ボクシングとは意味が違うということ)、
その気持ちは、拳を振り下ろしたい相手(対象)にも向かっている。

(振り下ろしたい相手が、目の前か、頭の中か、あるいは自分自身かによって
目線など、変わってきますね。)

いずれにしても、拳には、
肉体的なエネルギーと内面のエネルギーとの結びつきがある。

そこを的確に作れるようにするのが稽古です。



一見、バカバカしい稽古のように思えるかもしれませんね。


けれど、
「後ろ手に拳を握ってわなわなする」も「頭上高く拳を振り上げて威嚇する」も
基本は同じです。


もし、こういった稽古をすると、

つまらない表現になってしまう

と思うようでしたら、


大きな誤解です。



それは、前回の記事の
「意欲が表現を覆ってしまう」そんな表現を良しとしているのです。



自分が気持ちよく表現することが目的ではなく、
あるいは、自分というキャラクターを見せることが目的なのではなく、

伝わることが目的であるなら、
正解を設定する必要があります。



絶対的な正解があるわけではありません。
あくまで、設定です。

設定が的外れであれば、
当然、違和感のある表現になってしまいます。



設定に対して正解の表現ができているのか?
それとも、設定自体が的外れなのか?

正解に向けて、良いアプローチができているか?

正解に辿り着く方法自体に正解はありません。


表現と正解との関係、どう考えますでしょうか?







募集中


シアターX(カイ)本物の俳優修業シリーズ

【アートマイム塾】


来年6月のシアターXでの『国際舞台芸術祭(仮称)』への参加(グループ作品)

を目指してもらいます。4月から作品稽古になります。

ご参加お待ちしております。






公演


5月31日 夜9時開演〜10時
       

『マイミクロスコープ 

〜夜のアートマイム劇場〜』

  




ワークショップ




5月7日 

『原始歩き同好会(アーシングスタイル)

https://www.facebook.com/events/911084595706718/



5月7日 

『走り <動作塾>



 


5月11日 

『声(音)を身体に響かせる





5月14日 

『ゆるめる/しめる





5月18日 

『声で養う上・中・下の丹田





5月21日 

『つながる身体






5月25日
 

『リラックスした、なめらかな動作〜ゆだねる〜





5月28日 

『感情を出せる身体

https://www.facebook.com/events/742016815972741/




5月30日 

『ストレス・緊張に強くなる



6月1日 

『声(音)を身体に響かせる
https://www.facebook.com/events/1336471599733578/

6月4日 

『バレエ(西洋)の身体

https://www.facebook.com/events/778832382267269/



6月10日 

『刀と消える体捌き

https://www.facebook.com/events/2108759209350657/


 


6月11日 

『声(音)を身体に響かせる





6月17日 

『パンチ・突き 〜和・洋〜



レッスン


Body,Mind&Spirit 

本当の自分の身体は天才だ!







マイムから心と身体の平和を


ホームページ