オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

日本人には不利?

前回、発声の意味・大切さのお話をしましたけれど、これ、日本人にはとても不利なんです。

 

え!?

 

ですよね。

 

まあ、だからこそ、やったほうがいいんですけれど、なぜ、日本人には不利なのか?

 

これ、脳の問題と、言語の問題と二つあるんです。

 

この二つの問題のために、日本人は発声の際に、音ではなく言葉にしてしまい、それゆえ、単に発声しただけでは、全身にエネルギーを通すことにはならないんです。

 

ですから、発声を有効活用するためにも、活用し得る発声を知る必要があるわけです。

 

 

では、どうして問題が起きるのか?

まず脳の問題から。

 

 

日本人は虫の音を美しい音色として受け取るけれど、欧米など外国の人にとっては雑音でしかない。

そんな話、聞いたことがありませんか?

 

これは、日本人は虫の音(など自然界の音)を左脳・言語脳で受け取り、欧米人は右脳・音楽脳で受け取っているからと言われています。

つまり、日本人にとって、虫の音は虫の言葉・声ということで、欧米人にとっては意味を持たない空気の振動としての音、騒音でしかないということになります。

 

なぜそうなるか?と言いますと、言語の問題の一つが出てくるんですけど、日本語は母音と子音が一体化した言語で、欧米などほとんどの言語は母音と子音がそれぞれ独立した音を持つ言語だから、ということなんです。

(母音と子音が一体化した言語は、日本語以外ではポリネシア系の言語だけらしいですね。)

 

虫の音、動物の鳴き声、風や川など自然界の音は、母音的なんです。子音が無い音で、響きだけの音なんですね。

日本語のように母音と子音が一体化している言語は、極めて自然界の音に近い音ということで、そうしますと、自然界の音を、自分たちが普段喋っている言葉と同じものとして受け取れる、受け取ってしまうわけです。

 

一方、子音が独立した音を持っている欧米などの言語は、言語としての音とは子音の音とイコールなんでしょうね。自然界の音である母音的な音は言語的な音ではないのでしょう。

 

自然との共存に価値を置く日本人と、自然を克服することに価値多く欧米との差でもありますね。

 

と、普段耳にしている音を、言語として聞いている日本人と、ただ音として聞いている欧米人とでは、当然、音に対する感覚が違いますよね。

 

これが、脳の問題です。

 

 

次に言語の問題。

 

これは、発声の問題でもあるのですけど、以前にも取り上げましたように、日本語は口先で喋ります。横隔膜どころか声帯を使わない言語という言い方をする人もいるくらいに、口の前の方だけしか使わないで済むんですね。

 

一方、欧米などの言葉は、横隔膜をしっかり使った喉の奥からの発声なんです。ですから、英語には腹式呼吸をなんて言われるわけです。

 

※参考西洋の発声 和の発声 2

 

日本人は全身を使って発声することに、全く慣れていない。欧米人はいつも全身を使って発声しているということです。

 

 

と、この二つの問題から、日本人は音の捉え方が、(口先だけで喋る)言語のように受け取ってしまっている上に、普段から口先しか使ってきていないので、発声が大事だとしても、全身にエネルギーを通すための発声に対するイメージがうまく湧かないんです。

 

 

ちょっとお話が逸れますけれど、日本人はモノマネと言いますと、誰か有名な人の喋りをマネします。ところが、欧米などの人はほぼ動物の鳴きマネ。それも、本当に上手!

日本人にとっての動物の鳴き声は、ニャーとかワンワンといった言語になってしまいますけれど、欧米の人たちは、そのような言語化をしない、本物そっくりの音としての鳴き声なんです。

一般的な日本人では、欧米の人のような鳴きマネは出来ません。口先での発声では本物っぽくならないんです。

受け取るものが異なれば、アウトプットも変わってくる。そんなことを教えてくれる良い例かと思います。

 

 

といったようにですね、「息を止めないで」の対策としてと同時に全身にエネルギーを通すための喉の開けっ放し、その喉の開けっ放しをしっかり実感するためにオススメしている発声が、このようなことで、日本人には難易度が高いものになってしまっているんです。

 

よく「腹から声を出せ」と言われますけど、それだけ難しいということです。

 

実際、声のワークでも、音として出してほしいところを、多くの人が声にしてしまいます。

動物の鳴きマネに通じるものがあり、前回言及しましたキンキン声の人は特に、音になりづらく、どうしても声になりがちです。

 

これでは、なんだか私たち日本人は残念な気持ちになってしまいますよね。

 

ですから、そんなこともありまして、これまでの声のワーク以上に、しっかり音としての発声が出来るようになるための方法を編み出したわけです。

 

日本人には不利であるけれど、不利というだけで、出来ないということではありません。

まずは、活用し得る発声がどんなものかを知ることから、ですね。

 

 

 

アートマイム新作2本。

写真はこちら

こちらも

 

次回は12月13日(金) 大型企画です!!

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
これ以降のワークショップ/定期レッスン情報は
こちらから
 
↓     ↓
 
 
【レッスン情報】
 
 
Body,Mind&Spirit 
 
本当の自分の身体は天才だ!
 
 
 
 
定期個人レッスン 

スケジュールは変則的でも大丈夫です。内容も含め、お気軽にご相談を。

jidai9.wixsite.com

 

【月1回の特別クラス】
 
 
 
 
 
  
  ※下記レッスン情報参照
 

 

 

新著 

運動センスを一瞬で上げる! (amazon) 

 『「動き」の天才になる!』 amazon 

『筋力を超えた「張力」で動く!』 amazon 

『再創造する天性の「動き」!』 amazon 

 

DVD『「動き」の天才になる』 amazon 
 
DVD『張力の作り方 身体エネルギーの再発見』 amazon 
 

DVD『脳の書き換え体操』 amazon

 

 

 オリジナルTシャツ発売中!

 著書の中のイラストを、さりげなくプリント

どんな意味が?→『知らず知らずのうちに、他人の緊張を解くお手伝い?

clubt.jp

 

clubt.jp

 

 
 
マイムから心と身体の平和を
 
 
ホームページ 
 
 
Twitter  
ORGANIC_JIDAI
 
Jidai Mime