オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

2005/11/08 Tue 芸術を感じられるようになりたいですね。

何も無いところに、何かを生み出し、それを人に分からせる、感じさせるようにするって、出来ると思います?
普通に考えて、手品でもない限り、超能力者かいわゆる神ですよね。
でも、いくら超能力者でも、大地や風、陽の光までは、そう生み出せるものではありませんよね。

ところが、そういう奇蹟みたいなことを、神ではない人間がやっているんです。
それを「芸術」って呼ぶんだと。
ただ、芸術はいつでも受け手に委ねられていると、思うんです。

いくら絵が、音楽が、踊りが風や光を表わしていても、受け手が感じ取れなくては、その受け手にとっては、何もないのと同じですものね。
絵なんかで、作者の死後認められるなんていうのも、結局、受け手の感受レベルの問題だと思うんです。(レベルが高い低いとは、違うと思いますけど)

そういう意味では、芸術に絶対はあり得ないわけで、昨日までゴミ扱いだったものが、明日、高尚な芸術になってしまうこともあり得るわけです。

ところで今は、非常に即物的な世の中ですし、感じるということを、積極的に行なわなくなっています。
一方、「知」ばかりが重視され、頭でっかちになっている、きらいもあります。

芸術の力とは何かといえば、普通の人が意識出来ていない物ごとに対する感受性を呼び醒ますこと。
物の見方、感じ方が、より深く、より繊細になるために、芸術が存在するんだと、思うのです。

ですから受け手は、分かりやすいものだけに、気をとられるのではなく、また、分からないものを「芸術」という言葉で、片付けてしまうことなく、芸術家が何を発信しているのかに、目を向け、自分が何を受信したのか、自身のより深いところ、意識にのぼってこられるかどうかのところまで、目を向け、耳を傾ける。

多くの人が、こういう機会を多く持つと、きっと世の中、楽しく豊かになるんだと思います。
芸術は人間だけがし得る、(いわゆる)神の領域。
もっと楽しめるようになりたいですね。