オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

何を伝える?何を教わる? 〜黒の中の赤や青〜

一見、黒に見える色も、実はたくさんの種類の色が混じっていると、頭のどこかで分かっていると、

そのその黒の中から赤色を取り出したり、青色を取り出したり出来る。

 

もし、黒としてしか見ていないと、ただの黒でしかない

 

抽象度の高い、それ自体で完成させないエクササイズって、黒みたいな感じ。

 

 

 

今回は教え方のお話。

 

どんなものを習ったことがあるかで、イメージは人それぞれかと思いますけれど、大きく2つの教え方があると思っていますので、まずそこから。

 

西洋流の教え方/順を追ったレッスン、要素に分解したものを習得していく

和流の教え方/師匠の真似、完成形を丸ごと真似る

 

これ、イメージ湧きますでしょうか?

 

西洋流は、踊りですと、ストレッチに始まり、基礎的な動きをいくらかやり、少し難しい動きを繰り返し練習し、徐々に曲に合わせて踊れるようにしていく。そんな感じです。

 

和流は、いきなり曲に合わせて先生が踊っているのを真似ていく。もちろん、最初はテンポを落として、口あるいは手拍子で曲のリズムを生徒さんに合わせてはいきます。

 

分野にもよるでしょうけれど、西洋流は練習用の踊りや曲があります。和流は基本そういったものはなく、最初に習うものでも、本当に舞台で使われているもの。

 

 

で、それぞれの長所と短所です。

 

 

西洋流の長所/誰でもある程度出来るようになる

和流の長所/出来るようになった時は、すでに相当な腕前

 

西洋流の短所/ある程度から上に行くのが難しい

和流の短所/出来るようになるまでが難しい

 

 

そして

 

西洋流の長所短所の理由/内面とは切り離して技術だけを取り出し、その技術も細かな要素に分解しているので、理解がしやすく、習得もしやすい。けれど、それは大量の工場生産品を作るようなシステムであり、そのような技術を身につけた後で、個人の内面・個性をその技術に乗せようとすると、機械的に技術が身についてしまっているために、内面との融合が難しくなってしまう。

 

和流の長所短所の理由/内面と技術が融合した完成形である師匠を真似るために、技術が機械的なものではなく最初から内面を内包したものとして身につく。そのため、自分の内面・個性が乗りやすい。一方で、常に丸ごと全体を写しとる形になるため、(頭を通しての)理解というものとの相性が悪く、(身体を通しての)真似られるかどうか?にかかる。

 

 

私の見方では、こんな風に捉えていまして、まあ一長一短だよなぁといったところです。

 

で、私のレッスンです。

 

私のレッスン

冒頭の「赤や青を含んだ黒」つまり原理と、赤や青そのもの、つまりコツといわれるすぐに効果を出せる方法、その両者を伝えることを大事にしています。

コツは何よりも、自分にも出来るんだ!こんなに可能性があるんだ!を、簡単に味わってもらうため。今の自分の身体能力を超えられることを実感してもらうためですね。

そして、そのコツが、実は黒から出てるんだよということで、黒を教える。つまり、コツを裏で支えている原理を教え、原理を身につけてもらうということですね。

原理が身につきますと、他にいくらでも、意識的にも無意識でも展開できるようになります。動きの創造性が増すということですね。また経験のない動きに対する対応力も高くなります。コツが不要になると言いますか、コツが無尽蔵に生まれてくるようになるんです。

(どこへ行っても、初心者とは思えない進歩をするはずです。)

 

このようなレッスンは、西洋流でもなく和流でもありません。

自分を機械のように扱うのでもなく、自分を伝統の中に置くのでもなく、あくまで、自分自身になるためのものです。

 

また、表現面では、内面と技術の融合が、西洋流でもなく和流でもない、第三の方法、身体から内面にアプローチする独自の方法を身につけてもらっています。

この方法を取ることで、表面的な内面表現ではなく、また自分の傷をえぐるような過去の体験に基づく内面表現でもなく、まさにその場その瞬間に体験し、周囲の空間までもがその時の内面の色に染まっていくような表現になります。

 

これら運動面でも表現面でも、近道(コツ)と遠回り(本質を掴む)のハイブリッドなやり方なわけですけれど、何をしているか?をひと言で言いますと、

 

「エネルギーを通す」です。

 

エネルギー・・・ベースは身体ですけれど、内面・精神面と不即不離です。

 

借り物ではない、まさに自分自身でいるということを、身につける。

そのためのレッスンということになります。

 

冒頭の例え話になぞらえますと、

赤や青といった単色をいくら集めても、キリがありませんでしょ?

といって、黒を単色として持っていても、それこそ役に立ちませんよね。

赤や青といったすぐに使える色を取り揃えながら、同時に無限の色数によって作られた黒を手に入れようとしていく。

そして、黒さえ持っていれば、どんな色でも引っ張り出せるようになる。

もし、赤の純度を高める必要があれば、そうするだけ。

赤が必要だからと、赤単色を持ってくるのと、黒から取り出した赤の純度を高めた赤とでは、全く違ってくる。

 

ということなんです。

 

ただ、こういったレッスンを、受け止めきれない人もいます。

それは、ただ受け身で教わったことを覚えるだけの人。

自分には必要ないと(潜在意識のどこかで)思っている人。

自分の可能性を(潜在意識のどこかで)自分勝手に決めてしまっている人。

今の自分で十分通用していると(潜在意識のどこかで)思っている人。

 

出会いのタイミングもおおいに関係ありますね。

 

ちなみに、私のレッスンに参加する方の多くは、身体のこと内面のこと、いろいろとやってきた方が多いのですけれど、多くのことをやってきたからこそ、その即効性と本質力に大きな驚きを感じ、続けて下さる。

 

別の見方をしますと、行き止まり感を覚えた人ほど、私のレッスンが役立つということです。

 

そういったことも関係あるのかもしれませんけれど、私のところには、一度離れた後、数年ぶりに再開するという人が、結構な人数いるんです。

 

さて、教え方のお話でしたけれど、結局のところ、教える人の哲学によるかと思います。

何が良いのか?は、目的にもよるでしょうけれど、教わる人も、自分の性格との相性もありますよね。

 

教える側は、何を伝えようとしているのか?

教わる側は、何を得ようとしているのか?

 

ぴったり合うといいですね。

 

 

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