伸びることが出来るかどうかは、非常に重要なんです。
ストレッチではありません。
以前にも、このお話はしましけれど、今回はちょっと違うお話。
動く際には、骨の感覚が大事なんですね。
骨感覚で動く必要はあるんですけど、伸びやかに動くには、筋肉が必要。
ところが、筋肉が縮こまっていますと、骨と筋肉が一体化したような感じになってしまい、伸びやかさのない動きになってしまうんです。
で、縮こまりなんですけど、物理的に筋肉が硬くなっていることが問題というよりも、動く際に縮こめてしまうほうが問題としては大きいんですよね。
もちろん、本人が意識的に縮こめてしまうなんてことはありませんから、無意識のうちにそうなってしまう。だからこそ問題が大きい。
そもそも、本当の意味で伸びやかに動くのは、非常に難しいことなんです。
伸びやかに動くということがどういうことか?
これを誤解していますと、ただ自分なりに大きく気持ち良く動くこととなってしまいます。
まず、伸びやかな動きと気持ちは関係ありません。
厳密には関係が深いのですけど、まずは関係ないと考える必要があります。
本当の意味で伸びやかに動くには、トーラス状のエネルギーで動ける必要があるんです。
トーラス状のエネルギーについて、トーラス呼吸のワークでは、このように説明しています。
「ボールに切り込みを入れて、裏返す。ボールの裏側・内側をぎゅるりん!と表にするような動き」
イメージは湧きましたでしょうか?
少なくとも、単に腕や脚を大きく伸ばせばよいという感じではないことは、伝わるかと思います。
トーラス状のエネルギーで動くには、腕や脚よりも胴体が重要になります。
胴体が、ボールを裏返すような動き、エネルギーを持っている必要があるんです。
お腹側であっても、背中側であっても、どちらにしてもです。
多くの日本人が、この動きが出来ません。
日本人は、折りたたむような身体の使い方で動きます。直線の組み合わせです。
うねりのない動きです。
また、下に沈むようなエネルギー、内に向かうエネルギーが得意。
いずれにしましても、トーラスとは対照的です。
上記のような日本人のエネルギーのまま伸びやかと言いましても、誤解された伸びやかさとして、ただ自分なりに大きく気持ち良く動くこととなってしまうのは、ある意味仕方ないことなんです。
仕方ないことなんですけど、仕方ないでは済まないんです。。。
こういった誤解された伸びやかさですと、体を壊します。
エネルギーと動作が合っていないので、無理がかかるんです。
日本人が西洋発祥のものをやっても、なんだか違うなぁと見えてしまうのは、何も体型のせいではありません。
こういった無理をしているからです。
さて、無意識のうちに筋肉を縮こめてしまうと言いますのは、トーラス状のエネルギーで動けないところに、誤解された伸びやかさで動こうとして、けれどその動きは体を壊しかねないものであり、そのことを本能的に感じ取り、体を守るために反射的に起きてしまうのだと思われるわけです。
これは乗り越えられるのか?
はい、乗り越えられます。
『動きの天才になる!』でも言及していますが、まず大事なのが、仙腸関節と恥骨結合です。
今日のワークショップ【身体が覚醒する“しなやかな歩き” 脱・日本人的歩き】では、しっかりこのことに取り組んでもらいまして、みなさん、目から鱗と喜んで下さいました。
踊りをされている方々は、長年の疑問が解けた!と。
冒頭の「伸びることが出来るかどうかは、非常に重要」の意味するところ、幾らか伝わったでしょうか?
伸びることが出来ていなかったと気がつくのは、伸びることが出来た時だったりします。
今日のワークショップ参加者のみなさんも、そうでした。
伸びることが出来ますと、全く気持ちが違います。
気持ちで伸びやかに動くことは、まず叶いませんけれど、動けた時の気持ちは必ず違ったものになっています。
それは決して想像がつかないものです。
努力で伸びることは出来ません。ストレッチや気持ちの先にはありません。
具体的な方法が必要です。
ワークショップ【身体が覚醒する“しなやかな歩き” 脱・日本人的歩き】はまた開催する予定です。
よろしければ。
アートマイム新作2本。
次回公演は12月13日(金) 大型企画です!!