オーガニック・アートマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

新作『孤り(ひとり)』

こんばんは。

6/6に、なぜ、終盤で観客の方を向いてこられたときにゾッとしたのか

(自分がその瞬間さっと透明になって、演者の空を切る手が自分の中を通る・透るような、自分が幽体離脱してぽっかりと宙に浮くような、消されてしまうような体感があったのか)

を考えていました。

 

という書き出しで始まる感想をメールで寄せていただきました。

(掲載の許可を得てご紹介)

 

ーーー

 

先日の作品『孤り(ひとり)』を拝見して以来、あの舞台で立ち現れた感覚を反芻しています。

私がアートマイムに対して感じていた、ある種の「底知れなさ」を見た思いです。

想像を超える深さ、恐ろしさでした。

以下は、この作品から私が受け取ったものを言語化しようと試みるもの(エッセイ)です。

私の理解が浅く、意図と異なる読み取りが含まれているかもしれません。

その際は、どうかお読み捨てください。

 

 

『孤り』は、終始、非現実感に支配された作品でした。

冒頭、主人公は地に叩きつけられ、ただならぬ事態の始まりを予感させます。

しかし彼は起き上がり、何も見えず聞こえない暗闇の中を、手探りで進んでいきます。誰かを求め、叫びます。

やがて何者かに突かれ、蹴られ、強い力によって押し出されて、気づけば群衆のなかにいます。

しかし、誰も彼の存在に気づかない。自分は確かにここにいるはずなのに、なぜ誰にも見えないのか。

やがて彼は、隣にいるはずの友人に声をかけ、手を伸ばすも、それすら空を切る。

 

『孤り』は、物理的な孤独ではなく、「存在の孤立」を描いた作品だと感じました。

「存在する」にもかかわらず、「認識されない」「触れられない」「関与できない」。

そのとき、果たして人は「存在している」と言えるのか。

 

舞台が進むにつれて主人公の影はだんだん薄くなり、

あるいは彼は冒頭ですでに死んでいるのではないか、

それを本人は受け入れられずにいるのではないか、

だからこれほどまでに生きた人間を求めているのではないか、

と観客にも分かってきます。

 

 

私にはこの作品が、「他者と交われない死後の世界」を描いているように思えました。

もし幼児に「地獄ってどんな場所?」と訊かれたら、迷わずこの作品を見せたい。

サルトルの戯曲『出口なし』以上に、

観念ではなく感覚としての地獄に、引きずり込まれていたように思います。

 

 

さて、この「地獄」は私にとって、マイムという表現の極限と深く結びついているように感じます。

マイムとは、無からあらゆるものを創造する、いわば神に近い行為。

演者ひとりの身体だけで、他者との関係性すら立ち上げる。

 

それゆえに、その世界は「現実・実体」を必要としない。

実際に景色がなくても、「景色を見、景色に見られる身体」によってそれを出現させることができる。

 

この視点に立てば、『孤り』で描かれた世界は、いわば「他者を必要としない芸術」としてのマイムを究めた人が到達しうる一つの極致だったとも言えるのではないかと思います。

 

このような境地は、芸術の到達点であると同時に、どこか「死」とも紙一重のように感じられます。

 

それを、舞台上の一人の身体で観客に伝えきられたということに、深く感銘を受けました。

 

 

最近、自分自身もまた、日々「死と再生」を繰り返しているような感覚があります。

波に削られる岸辺のように、自分のものだと思っていた領域が少しずつ曖昧になり、

でも確実に形を変えながらも在り続けているのを感じます。

 

この繰り返しの中心に現れてくるであろうは恐らく「空洞」であり、このことを受け入れつつある自分がいます。

 

そういう感覚もあってか、この作品(本当に最高傑作だと思います)を通して、

改めてアートマイムの底知れない魅力と恐ろしさを感じました。

 

 

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【公演ご来場ありがとうございました】
 
6月6日(金)  19時半開演(20時半終了)
 
 
 
 
 
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