少し、アクトクラスのことをお話させていただきますね。
アクトクラスでは、パントマイムを
「無言表現」としてしまうのではなく、
外に表れる形と、内面の気持ちとを一致させた、
「身体表現」とするためのレッスンですので、
何かシチュエーションを設定して、後は個人の創造・即興で、というスタイルではなく、見本を元にしての、演技術の訓練になります。
とは言いましても、歌舞伎のように歴史に裏打ちされた、事細かな明確な型があるわけではありませんし(明解な理論はありますけど)、
あまり形にとらわれてしまうのも、どうかと思いますので、
「他人が見て分る・感じられる」ということと、「自分自身が感じる」ということ、このふたつを軸としまして、
「空間の捉え方」
「呼吸の使い方」
「身体の使い方」
「間の使い方」
を重視したレッスンになっています。
(この言葉だけでは、あまりに抽象的で、分りづらいとは思いますけれど、レッスンは分かりやすいんですよ。)
マイム初心者の方は、このアクトクラスへの参加を躊躇してしまうようですけど、いわゆるマイムテクニックは役に立ちませんから、そういった意味では、みんな横並びです。
要は、普通のお芝居ですと、セリフに心的エネルギーを乗せるんでしょうけど、ここでは、身体に心的エネルギーを乗せることをしていきますので、
表面的なテクニックは、かえって無い方がいいくらいなんです。
もちろん上級者になりますと、いわゆるテクニックも重要になりまして、ただし、テクニックが全体から浮かないようにする術を学ぶことになります。
そして、全体を通して言えますことは、
わざとらしくしない。
演ずるということに対して、シリアスになる(心深くする)。
パントマイムに限りませんけど、演じるに当たっては、自分を信じるしかありません。
迷いは禁物です。
迷いや照れが(時に過信も)、わざとらしい演技、シリアスでない心につながります。
心だけでなく、形・動きにも迷いが生じないないよう、内と外とを一致させていく。
偉そうなことを言っておりますけど、私も一修行者です。自戒を込めた言葉です。
と、アクトクラスとは、こんな理想を掲げたクラスでありますけれど、笑いを交えながら、楽しくやっています。
パントマイムという枠にとらわれず、色々な方に経験していただけたらと思います。