パントマイムはだれでも出来る・・・
「カベ」とか「かばんの固定」ができれば、あとはちょっと面白ければ、パントマイムの上手な人になってしまいかねない。
クルクルたくさん回れたからといって、バレエが上手な人とはならないのに。。。
パントマイムって、だれでも出来るんですよね。
これは強みでもありますし、弱みでもあります。
まぁ、どこからどこまでをパントマイムって言うのか?ということはありますけれど、
喋らないで、それほど踊りでもなく、といった感じならばパントマイムかな?
といったとろですと、バレエのような明らかに特別なことが必要なわけではないですから、
それこそ幼稚園児からお年寄りまで、誰でも出来ますよね。
そういった意味では、入り口はとても優しい。
ところで例えば、歌舞伎。
歌舞伎はそれなりに稽古を積みませんと、成り立たないと思われますよね?
(それなりに、では無理だとは思うんですけど・・・)
それは、特別な身体能力に対してではなく、
歌舞伎の持つ様式にのっとった動きの美しさに対して、稽古が必要だろうと感じるのだと思うんです。
つまり、目に見えて分りやすいところの技術の上手い下手ではなく、
全体に美しさがあるかどうかが、評価の際のまず絶対の前提にあると思うんです。
バレエも同じだと思います。
回ったり跳んだりではなく、やはりまず美しいかどうかだと。
パントマイムは歌舞伎やバレエのようでなくては、と思うんです。
最初に申し上げましたように、
「喋らないで、それほど踊りでもなく、といった感じならばパントマイム」ということでは、
それを敢えて「パントマイム」といった分野としての名前をつける意味がありませんでしょ?
最近のダンスでは、技術とは無関係に動きの組み合わせの面白さで、その楽しさを共有するというのがありますけれど、それは踊りとしてリズムや動きが非日常的ですからいいんです。
パントマイムの場合は基本的に日常動作で、無言のお芝居の要素が強いものですから、
何も目新しいことはないんですよね。
普通の人が普通に動いている・・・としかなりませんでしょ。
なんにも面白くありません~。。。
ではパントマイムの技術的な上手い下手って、何をいうんでしょう?
「カベ」とか「かばんの固定」とか?
一般的にはそうですよね。
無いものが有るように見える・・・とっても大事な技術ですね。
けれど、なんだかそれは、歌舞伎でいいますと、「見得を切る」という動作だけを取り出しているような感じがしてしまうんです。
バレエでしたら、ジャンプやターンといったところだけを見ているような。。。
もちろん、それらは見所にはなりますけれど、最初にも申しましたように、それ以外の動きの美しさがあってこそだと思うんです。
そしてさらには、その動きの美しさが単なるキレイさではなく、
内面の表われとしての美しさに昇華されていかなければと。
マイムから心と身体の平和を。