オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

にぎり寿司と筋力と身体の使い方

大相撲の白鳳関がインタビューで答えていました。(『スマイルスポーツVol.45』より)


「あるテレビ番組の企画で、私の身体的な特長を科学的に分析してもらったことがあります。

まず筋肉ですが、非常に柔らかくてバネがあるそうです。

これは入門当時から、筋力トレーニングに頼らず、四股や鉄砲、すり足といった

伝統的な稽古を徹底して反復することで身についたものです。」


「自分は今約150kgの体重があります。これは幕内では平均体重です。

私はこの平均体重をいかにうまく利用できるかが勝負の鍵だと考えています。

さきのテレビ番組では、反応速度とバランス感覚でも、一流アスリートと遜色ない

というお墨付きをもらいましたが、

しなやかで強靭な下半身とそれらを総合し、体重をうまく利用しながら

相撲を取ることをとても大切にしているのです。」


こういう言葉を聞きますと、心強いですね。


以前テレビ番組で柔道男子日本代表監督である篠原

シドニー五輪で誤審によって金メダルを逃したと言われている方です。)

が言っていました。


「現役時代にウエイトトレーニングを取り入れたが、

技にキレが無くなってやめた。筋力に頼った動きになってしまった。」




もちろん、筋力トレーニングを全否定するつもりは毛頭ありませんけれど、

やはり、筋力信仰は考え直す必要があると思います。





ただ、これは頭で分ったつもりくらいでは、とても難しいことだというのも分ります。


筋力で結果を出せてしまっていますと、そこから転換するには勇気が必要です。


一般的には大きなケガをするしかないんでしょうね。

否応無しに自分のそれまでの動きを見直さざるを得ない。




けれど、ケガをする前にこの考えを取り入れることができれば、

本当の身体パフォーマンスが上がると思うんです。


これは、何もアスリートと呼ばれる人たちだけでなく、

誰にでもいえることではないでしょうか?



筋力トレーニングをしていますと、なんだか鍛えているという感じがしますけれど、

大抵は繊細な感覚の目を塞ぐ練習をしているともいえます。




さらに、白鳳関が「体重を利用して」と言っていますけれど、

これも筋力頼りでは上手くいかないでしょう。身体の使い方です。

篠原氏の「技のキレ」も身体の使い方です。



筋力より先にやることがあると思いますし、

筋力があってもやり続けなければいけないことがあると思います。




筋力の話ではありませんけれど、

オーガニックマイムの習得に励んでいる皆さんも、見せ方より身体の使い方です。


ちょっと変な言い方ですけれど、

ちらし寿司なら見せ方の習得で済みますけれど、

にぎり寿司は身体の使い方がなっていなければ握れません。



もちろん、見せ方は見せ方でとても大事ですけれど、

にぎりを握れるようになってほしいと思います。



マイムから心と身体の平和を。