先日、新垣勉さんのコンサートに行ってまいりました。
沖縄生まれの全盲のテノール歌手として知られ、お父さんが米兵で、そのためか
「日本人離れした明るさを持つ声。この声はラテン系のお父さんのくれた宝物だ。」
とマリオ・デル・モナコを育てた名ヴォイストレーナーの世界的大家、アンドレア・バランドーニ氏が絶賛しているとのこと。
ちなみに、私はこのカタカナのお二人は、まったく分かりませんが・・・
かなり不幸な生い立ちらしく、ある牧師さんとの出会いが、人生を立ち直らせたようなのですけど、まあ、生い立ちはともかくとしまして、
その歌声の素晴らしいこと、素晴らしいこと!
あの今有名な、「千の風になって」も歌われたんですが、心の奥にすーっと入ってくるんです。
紅白歌合戦で歌われた、秋川なんとかという人のは、私は好きではありませんで(好きな方、ごめんなさいね・・・)、何か、
歌を歌ってます!
という感じがしてしまうんです。
新垣勉さんが歌いますと、「私」というものを感じさせないので、素直~に心に届いてくる気がするんです。
自分を救った音楽の素晴らしさを伝え、荒廃する青少年の心に「オンリーワンの人生を大切に」と呼びかけるコンサートを展開している、とのことですから、きっと、
音楽をしています!歌っています!というのではなく、
音楽になっていて、歌になっている
ということなんでしょうか。
アンコールで再び現れ、すっと構えられた瞬間、なぜでしょう?涙が出てきてしまいました。
そして歌われたのは「さとうきび畑」。
この歌の最初の「ざわわ、ざわわ」というところ、今まで耳にしてきた歌い手さんのものでは、ただ「ざわわ」という歌詞なんだなぁ、という印象だったんですけど、
やはり全く違いまして、「ざ」の音を聴いたとき、なぜこんなにも心を打たれるのか?はっとするものがありまして、よくは分かりませんけど、心に迫ってきたんです。
あぁ、「ざわわ、ざわわ」なんだなぁ・・・と。
こんな私の心でも、洗われた気がします。
平和を祈る魂のテノール歌手、新垣勉さんに、合掌。