リアルなCGを見ていて、どうにも変な感じがしませんか?
私は、どうしても、人間を始めとした生き物の動きに、違和感を覚えるんですよねぇ。
どこか?といいますと、
重さが無い
というところなんです。
例えば、走ったり、ジャンプしたり、あるいは階段を上るといったとき、体重の変化(体に掛かる負荷の変化)が見えないので、単に動作が見えるだけで、全くリアリティーを感じられないんです。
どうです?そんなことありません?
何がおかしいか分らなくても、自分が走っている時の感覚とは違うこと、明確に感じますでしょ?
こういう違和感といいますのは、肉体的なものでして、CGを目で見ながら、実は私たちは追体験しているんですよね。
脳による情報処理ではなく、身体感覚で捉えているわけですね。
ここのところは、マイムでも同じ。
ポーリッシュマイムの特徴と言えると思うんですけど、演者はこの身体感覚を発信することで、観客にダイレクトに感じてもらおうとしているんです。
CGに見られるような違和感をなくすことを、非常に重要視しているということなんです。
いわゆるパントマイムっぽい動き、と言いますのは、体重の変化の無いCGのような動き、とも言えるわけで、その違和感こそが、パントマイムだと思われている方も、多いようですが、ポーリッシュマイムでは、ここは強く戒められるところなんです。
で、生身の人間が動けば、体重は変化するのでは?CGのような違和感は生じないはずでは?と思われるかもしれませんけど、そんなことは、やはり残念ながらないんですね。
体重の変化を見せるには、どうしたらいいか?
実際に体重が変わるかどうかということは、関係ありませんよ。もし仮に変わったとして、それが第三者にどうしたら伝わるか?ということが、重要な問題ですから。
このことは、長くなりますから、また後日にしまして、ポーリッシュマイムの動きといいますのは、ある意味で、生身のCGとして動いているようなものなんです。
(CGアニメーターの方には、ポーリッシュマイムをぜひ知っていただきたいなぁ、と思うんですよね。生身の人間の動きを研究するより、ずっと分かりやすいんですけどね・・・)
重さをどうコントロールし、どう見せるか?
ポーリッシュマイムは、その理論と実践を兼ね備えています。