ポーリッシュマイムの特徴、第2弾んん~~!
と言いましても、私がいつもお話していることは、そのままポーリッシュマイムの特徴だとは思うんですけど・・・まぁ、特に他のマイムとの違いを意識して、ということで、進めていきましょう。
前回、いわゆるパントマイムっぽい動きには、重さの変化が見られない、ということを書きましたでしょ。
このことを、たとえば、
「歩く」(マイムウォーク)
ということを通して見てみましょう。
マイムウォークといいますと、足を後方にスライドさせるもの、と思われている方が多いと思うのですが、ポーリッシュマイムでは、「地面を後方に押すことで、体を前方に運ぶ」と考えるわけです。
おそらく、あの違和感のある(重さのない)CGも、
歩く=足が前後に振れること
と考えているからではないかと思うんですけど、歩くということには、もっと大切なポイントがあるんです。
歩いている時、体重は変化しますね。
体重が変化するといいますのは、言い換えますと、体に掛かる負荷が変化する、ということでして、歩くといいますのは、一歩毎に体の重さ以上の力を使って、体を前方に運ぶということですよね。
足の筋力が弱っていますと、体重がより重く感じられ、歩くには当然大きな力が必要になりますし、走るということを考えた場合には、大きな力が必要になる、ということは実感できると思います。
地面を足で押して、体(の重さ)を持ち上げ(前方に)、すっと楽になったかな?と思うと、また重さ(体重より重い)が足に掛かる。そしてまた、持ち上げて・・・と繰り返していくわけです。
ここで、注意!
重心を前に移すことで、倒れるように前方に進んで行く歩き方がありますけど、結局は同じことですよ。
重力のないところでは、普通には歩けないことを考えていただければ、分ると思います。
歩くということは、必ず、地面を押しているんです。
ここは、重要なポイント!!!
「地面を押す」
「地面を押す」
「地面を押す~~~っ!」
一般的なマイムウォークとどんな違いがあるのかは、お見せ出来ないので、分かりづらいと思いますが、この考え方の違いが、同じ「歩く」という動作でも、重さの有る無しが生じる理由なんです。
地面を踏む、押し出す、ということは、つまり、地面からの押し返される力を、体が受けているということ。
体の中で、自らが押す力と、その押し返される力とが、押し合うはずなんです。体の中で相反する力が闘っているわけです。
その押し合いがあって、初めて重さ(力)が見えてくるんです。
大切です。
力のベクトルが同一線上に、けれど、方向が正反対のものを、同時に体の中に生じさせる。
このことが無いまま、足が前後に振れたり、後方にスライドしましても、それは、見た目の動きとしては「歩き」ですが、追体験としての「歩き」にはなり得ないのです。
良い悪いではありませんよ。
ムーンウォーク(まだこの言葉は生きているのかしら?)なんかは、まさに、重さの変化が無ければ無いほど、いいわけですから。
ただ単に、ポーリッシュマイムでのマイムウォークは、重さの変化を重視するということ。
(それだけではありませんが・・・)
それは、取りも直さず、ポーリッシュマイムは動きのトリッキーさや、見た目の情報提供ではなく、追体験してもらうことに重きを置いているということ。
(見た目の情報提供とは、足が振れる・スライドするということは、視覚情報であるということ。)
実際に歩いている際に、体の中で生じている力、つまり、押す・押し返されるというものは、ほんの僅かなものですから、私たちはほとんど意識していません。
けれど、僅かといえど、確実に起こっている、その力の変化を、少し拡大して表現するわけです。
以前にも書きましたけれど、ポーリッシュマイムは形を見せるのではなく、あくまで、この力を見せるんです。
一般的に、マイムは大袈裟な動きをするように思われるところがありますが、ポーリッシュマイムでは動きを大きくするのではなく、この力を大きくすることが求められるのです。
(もちろん、結果として動きが大きくなることもありますよ。)
今回は、「歩く」という動作で見てきましたけれど、あらゆる動きに通じるものでして、ポーリッシュマイムは、いつも体の中で、相反する力と闘っているんです。
一般的なマイムを「静」だとするならば、
ポーリッシュマイムは「動」
といわれる所以ですね。
そうそう、最後に・・・地面を押して押されての力は、単に足だけの問題ではなく、全身の問題ですよ。
部分では考えません。体は全体でひとつですからね。
ふ~ぅぅ、、長くなりました・・・ご苦労様です。そして、ありがとうございます~ぅぅう。