オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

本当にやりたいことですか?

ポーリッシュマイムが求めるもの・・・

それは、マイマーである前に、役者であること。

ではないかなぁ、と思うんです。

パントマイムで何かを表現したいと思っている方でも、
一般的には何故かコミカルな方向に、偏っていってしまうようです。

コミカルなものが良い悪いではないんですけど、
本当に、その人はそういった方向のものをやりたいのかしら?
と思ってしまうんですね。

かつて他の団体でプロとしてマイムをやっていた仲間と、話をしたことがあるんですけど、
まぁ、端的な話、マイムテクニックが表現力に繋がらないので、といいますか、
マイムテクニックを使っている時の動きって、
どこか不自然で、おもちゃの人形のようなところがありますから、

コミカルなものにするしかない・・・
みたいなところがあるのではないかなぁと。

で、元々はコミカルなものを目指していたわけではないけれど、そんな中で作品を作っているうちに、
元の気持ちを忘れてしまい、
自分はコミカルなものをやりたいんだと思ってきてしまっている人も、いるのではないかなぁと。

コミカルって難しいと思うんですよ。
マイムのテクニックがあるからって、だれでも出来るわけではありませんでしょ?

パントマイムの人の演技と、お笑いの人のお笑いの時の演技に共通点を感じます。
上手な人のものは、とても楽しいです。

けれど、それでも、演技って、それだけではありませんでしょ?

コミカルでない、もっとシリアスなものや、詩的なものなど、
その人が表したい世界観を大事にした演技があると思うんですね。

マイムのテクニックに引きずられて、気付かぬうちに、コミカル路線に行くのではなく、
あくまでマイムテクニックを使いこなしていく。

そのためには、マイムテクニックを使っている時の動きが、
不自然ではないようにすることと、
顔や動きに頼らない演技力が大事かな、
と思うんです。

で、それはたくさん練習を積めばいいか?と言いますと、
そうではないと思うんですよ。

やはり、知識といいましょうか、方法論みたいなものが必要だと思いません?

不自然でない動きって、どんな動き?

知らなければ出来ませんでしょ?

顔や動きに頼らない演技って、どんなもの?どうやって身に付けるの?

ただ闇雲に練習しても出来るようになるとは、思えませんよね?

ポーリッシュマイムはそこのところを、ほんとに、ほんとに大事にしていまして、
それが、冒頭の言葉、

「マイマーである前に、役者であること。」

になるんですけど、ですから、ポーリッシュマイムが上手くなればなるほど、
パントマイムが上手ではないように見えてくるんです。

(パントマイムをしているって、見えないという意味ですよ。)

変な話ですけど、私の舞台でのマイム、目に付く技術はほぼ、ポーリッシュマイム的ではありません。
オリジナルに開発したものです。
目に付かないところが、全部ポーリッシュマイムです。

で、その私のポーリッシュマイムの程度はどれくらいかと申しますと、正直、

私は凡人。
私の師匠は天才。
師匠の師匠は神様。

と、こんな具合です。

まぁ、そんな私でも、多少は知っていることがありますし、
教え方の分かりやすさという点では、この順位は完全に逆転しますから、
なんとかクラスをやっていけてるのかな?と。

まぁ、それはともかくとしまして、あなたが本当に表したい世界を、もう一度思い出して下さい。
可能性を捨てないで下さい。
必ず表現できます。


ポーリッシュマイムはその助けになると思います。