オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

人間モーフィング

人間モーフィング・・・

私のマイム作品で使われるモーフィングなるテクニックは、ポーリッシュマイムのテクニックではないんです。

モーフィングはあくまで、ポーリッシュマイムで培ったものをベースにした、全くのオリジナルテクニックでして、
現段階では私のクラスで教えたりもしていませんのです。

・・・と、そうそう、この人間モーフィングといいますのは、
ある人物から別の人物などに変わる際、その変身過程に切れ目が無く、溶け合うような感じで切り替わるテクニックのこと。

CGの世界の技術を、生身の人間がやっている感じですね。

このテクニックの最大の利点は、人物などの切り替えが、スムーズにいくこと。

普通、パントマイムでこの切り替えを行う場合、くるっとターンをして、別の人物や物になるんです。
劇場でマイムを観たことのある方は、よく目にすると思います。

私はこのターンが、どうにも身体が受け付けないもので、
これまで舞台作品(自分が出演しないアンサンブルものでも)の中で使ったことは一度も無いと思うんです。

ただまぁ、作品全体のテイストというものがあるでしょうから、全てをモーフィングでやればいいということでもないんですけどね。

けれど、やはりモーフィングですと切り替えがスムーズにいきますから、作品進行の流れが止まらなくていいんですよね。

ターンの場合、
あっ、今はこの人。。あっ、今度はこの人。。あっ、あっ・・・という感じ
になってしまいますし、
ターン自体は意味の無い、空っぽの動き、つまりお客さんにとりましては単なる記号として、
心の活動が一瞬停止してしまう可能性が高い
と思うんです。

(ターンが速ければいいということではないですよ。)

で、実はこの心の停止・・・お客さんだけでなく、演者自身にも起こってしまうとしたら・・・


・・・まぁ、それはともかくも、人間モーフィングの「溶けて生まれて」は見た目だけでなく、演じている私自身に実感があるんです。

体も意識も、

溶けて、生まれて・・・

ちょっと楽しい感覚なんですよ。
パントマイムのカベとかロープが実感出来る楽しさと、同じ楽しさがあるんです。

人間モーフィングがカベやロープのように、パントマイムの代表的なテクニックとして伝えられたらいいなぁ。。。