オーガニック・アートマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

真っすぐに立つ~西洋と和の違い

きれいに真っすぐ立つ。


どんな感じを思い浮かべますかしら?


何を習ったらいいかな?と考えますと、一般的にはクラシックバレエになるのではないかと思うんですね。


私はよく
「バレエもやってるんですか?」
って聞かれませけれど、バレエに関しましては、バーレッスンを体験的にやったことがある程度。


私にとりましてのきれいな立ち方といいますのは、
10年以上続けています日本舞踊などの、和のものをお手本としているんです。



日本舞踊や歌舞伎などの立ち方とバレエの立ち方・・・
あなたは同じに感じますかしら?それとも違うと思われますかかしら?


私は全く違って感じられるんです。
それは日本舞踊を始めた頃も、今も。



ところで、私の日本舞踊のお師匠さんは、若い頃かなりジャズダンスなどをされていまして、まぁ、厳密にはクラシックバレエではないにせよ、西洋の立ち方と和の立ち方をご自分の身体を通して、お分かりになっていると思うんですけれど、


「同じよ」


とおっしゃるんですよね。。。



「う~ん・・・」


だったんです。
だったんですけれど、ようやく私なりに謎が解けましたよ!



確かにきれいに立つ、真っすぐに立つということに関しての、骨格の使い方は西洋のものも和のものも同じ。


肋骨(大雑把にいいますと胸)を引き上げておく。
骨盤(お尻)が前にも後ろにも倒れず、真っすぐ。
胸(鎖骨)を開く。
みぞおち(みずおち)を閉じる。


これ以外にも大切なことはありますけれど、きょうのお話ではこれで十分ですので、これくらいにしておきまして、まぁ、とにかくバレエも日本舞踊も同じなんです。



けれど、やはり印象は違う


それはなぜか?



おそらく「気」の置く位置が違うと思うんです。


西洋のものは、みぞおちから胸にかけての辺りに「気」が集まり、
和のものは、おへそよりも下に集まっている。


よく、西洋は胸、日本は肚と言われますし、バレエなどの西洋の踊りはは上へ上へで、日本の踊りは下へ下へと言われます。



この「気」の集まる位置が違うために、基本的には同じ身体の使い方で立っているにもかかわらず、印象が全く異なるのだろうという思いに至ったんです。
(厳密には西洋人と日本人の骨盤の角度は、「気」が集まる場所の違いから、普段から全く一緒ではないのでしょうけれどね。)


私の日本舞踊のお師匠さんをはじめ、昔の日本人は基本的に「気」が下にあったために、バレエなどをやりましても、その立ち姿が西洋人とは異なってしまっていたのではないかと思うんです。
手足の長さの問題ではないと思うんです。)


ところが、今の日本人は私も含めまして、基本的な「気」の位置が下にないために、きれいに真っすぐ立つためにと、胸を引き上げたりしますと「気」が上がり気味になります。


これは、西洋の踊りをするには、いいのかな?と思うところはあるんですけれど(実は「気」が弱いために、どっちつかずの感じかしら・・・)、和の立ち方をすることが、とても難しくなってしまっているんです。


よく「腰を入れる」という言葉を聞くと思いますけれど、腰が入っていませんと、和装が和装に見えない、変な感じになります。


西洋人や今どきの日本人が着物(浴衣でも)を着た時の違和感は、「腰が入っていない」からですけれど、それはつまり、「気」の位置が下に下りていないということだと思うんです。



ちょっと話が長くなってきましたね。
また続きは次回に。