ナンバ歩きって、ありますでしょ?
試されたことありますか?
ナンバ歩き、固い動きだと思いません?
実はナンバ歩きは、固くては出来ないんですよ。
むしろ、柔らかくなくては出来ないんです。
???
ですよね。
ナンバといいますと、右足と右手が一緒に出るって思われていますけれど、
本当のナンバ歩きといいますのは、そんなことありません。
ほぼ普通の歩きと同じなんです。
これはナンバという言葉に少々問題がありまして、昔の日本人はナンバ歩きだったという時の、
正確にはナンバとは言いませんで、
名前はないんです。
今現在の私達の歩き方の名前がないのと同じですね。
当たり前過ぎて、何か他のものと区別する必要がありませんものね。
で、まぁナンバ歩きは柔らかくないと出来ないというお話ですけれど、
またここで問題がありまして、
この時の柔らかさといいますのは、決して静的柔軟性ではないということなんです。
バレエダンサーやヨガの人のような一見して分る柔らかさではないんです。
そもそもただ歩くというだけの行為に、そんな柔軟性が必要なはずありませんでしょ?
やたらと開脚して大股で歩かなくてもいいですし、
背中をものすっごく反らせて歩くわけではないですものね。
(楽しそうですけどねっぇ。)
では一体どんな柔軟性が必要なんだと思われます?
解剖学的な見方からのお話は、今週末のワークショップで取り上げますけれど、
ごく簡単なイメージとしましては、こんな感じです。
体の中にたくさんの、ほんとにほんとにたっくさん、無数の球体状の歯車があると思ってみて下さい。
筋肉も骨も無く、ただその球体状の歯車だけが薄い皮膚の袋に詰まっていると
思ってみて下さい。
その歯車のどれか1つが動きますと、当然隣り合った歯車は動きますよね?
それも、勝手な動きではなく1つ目の歯車の動きに沿ったものであるはずですよね?
こうして2番目に動きだしたいくつかの歯車に隣り合っていた歯車たちも動き出し、
一番遠いところの歯車まで動きが届きますでしょ?
1つが動くと全部動くんです。ぜ~んぶです。
勝手バラバラではなく、有機的に繋がりのある動き。
(オーガニックマイムの由来ですね。)
歯車たちが入っている
皮膚という袋自体の動きの変化が、大きいか小さいかの問題ではありません。
たとえ小さくとも、アメーバーのような動きをするはずだと思いませんか?
アメーバー・・・柔らかいですよね。
もちろん、ナンバ歩きがアメーバーのようにぐねぐねするというわけではありませんけれど、
必要な柔らかさということの、イメージは多少なりとも伝わったかな?と思うんです。
いわゆるストレッチで得られる柔軟性とは、全く質の異なる柔軟性があるということなんですね。
脱力とも違いますよ。
いわゆる脱力は歯車がかみ合っていない状態ですから。
決して固い動きではなく、むしろ非常に柔らかい動きであり、
今現在の私たちはかなり意識的に訓練しませんと出来ない動きなんです。
14日のワークショップに参加される方は、このあたりのメカニズムも楽しみにしていて下さいね。