身体の動きを良くする方法で大事なことって、いろいろありますけれど、
１つには細分化と統合。
もう１つには動き方そのもの・・・
動き方そのものって、そんなの当たり前！
というか、動きを良くする方法と言っているのに、答えになってないじゃない！ですよね。。。
これは、ものすごく大雑把にいいますと、
いわゆるスポーツ的に動くか？それとも古武術的に動くか？
といった例で挙げられるようなことなんです。
例えば、走るときの腕振りを、しっかり引くことを意識しながら前後に振るのか？それとも違う意識、上から下などといった違いでしたり、
あるいは、そこまで大袈裟なことでなくとも、筋肉の収縮を自ら行うのか？反射を利用するのか？
といった違いもあります。
まぁ、その辺りのことはまた追々お話するとしまして、今回は細分化と統合のお話を。
細分化といいますのは、その名の通り自分の身体を細かく分けて、その動きを捉えていくことですね。
パントマイムの基礎練習にあります分離運動は、ごく初歩的な意味では役に立ちますよ。
もう少し一般的な感じの例でいいますと、
例えば腕はどこから生えていますか？といったようなことであったり、
手首はどこの関節で回転しますか？
といったようなことをふまえて、基本的にはそこを単独で動かそうとする感じですね。
（ちなみに、腕はのど元の胸鎖関節から、手首の回転は肘の辺りの上撓尺関節が起点です。関節の名称はどうでもいいのですが・・・）
このようなことを、身体のあちこちでやっていくんです。
・・・いくんですけど、大事なことは統合なんです。
つまり、いったん身体をバラバラに部品単位で動くようにしておき、それらを１つのものとして動くようにすることですね。
きれいな歯車をたくさん用意して、うまく噛み合わせて動かすといった感じですね。
大雑把に動くのではなく、精密に動くということになります。
つまり、仮に目に見える動きが似たようなものであっても、中の歯車によって動きの内容が全く変わってくるんですね。
高級な時計と安い時計のようなものです。
この１つのものとして動く、ということがとてもとても難しいんです。。。
先ほどパントマイムを挙げましたけれど、
オーガニックマイムではこの統合の動きを徹底して追求していきます。
ただ、それは細分化して統合するというよりも、統合の為に細分化をしていくといった感じではあります。
まぁ、それは置いておきまして、
極く繊細なレベルですと、本来、身体はすべて繋がっているわけですから、
筋膜や靭帯などの結合組織に硬縮などが無ければ、本来のバランスで各パーツが結びつき、
統合したことになるのかもしれませんけれど、
スポーツなどの激しい動き（あるいは意識的な動き）をするということは、
局所的に大きな負荷が生じやすく、それは全体として１つのものとして動けていないということになりやすいんです。
意識的に身体を動かす場合、クセといいますか、ほぼ誰もが、なんですけど、
例えば”バットのようなものを振る”という際、どうしても腕に一番意識がいってしまうんです。ということは、力も入りやすい。
もちろん、腕は大事なんですけど、足の裏から頭の先まで大事でない所は無いわけでして、
むしろ意識しづらい箇所にこそ意識を強く持って行く必要があるんです。
腕のように意識を向けやすい箇所は、後回しでもいいくらいかなと思うんですよね。
ところで、これを逆に見ますと、腕の力を抜きなさいと言われても抜けないのは、
その他の箇所できちんとした支えが出来ていないので、
腕の力を抜くと、全身のどこにも支えが無くなってしまう、
という恐れを身体が感じているからだと思います。
さて、全身を１つのものとして動かすといいますのは、単に全身を動かすということではないんです。
パーツ、パーツが全て意味ある役割を果たしているかどうかが大事なんです。
ただ、この辺りの話になりますと、最初の「動き方」とかぶってくるところがありますから、あまり突っ込んだ話は置いておきますけれど、
１つ言えますことは、全身を動かしているつもりが、意外にといいますか、ほぼ間違いなく非常に部分的に動いているんです。
で、どう解決するか？
まずは、よく慣れた動きから見直していくというのが、いいのではないかな？と思います。
例えば、”バットのようなものを振る”のでしたら、普段あまり意識を向けていない箇所、
どこでもいいんですけど、肩甲骨なら肩甲骨の動きを感じ取ってみるようにする、といった感じですね。
そうそう、鏡は使わないほうがいいですよ。
続きはまた。（続くのかな？？）
マイムから心と身体の平和を
オーガニックな（生きた）カラダに http://jidai.mond.jp/
