オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

自分を許してみませんか?

晦日、今年最後のお話。


「許す」ということをテーマにしてみたいと思います。


と言いましても、他人を許すといったような高尚なことではありませんで、
やはり身体のことなんです。



スポーツなどではフォームを意識させることが多いようです。
例えば、脇を締めましょうでありますとか、体幹を真っすぐにしましょうなどなど。


これが必ずしも悪いわけではないのですけれど、
フォームを言われた通りにしようとするあまり、自然な動きを押さえ込んでしまい、
不自然な動きを無理矢理に身に付けようとすることになってしまうんです。


例えば、ウォーキングでもランニングでもいいのですけれど、
お尻が下がってしまわないように、お尻を持ち上げるような骨盤の傾きを意識的にキープしようとするあまり、
脚の運びが硬くなり、伸びやかな動きが消えてしまうことがあるんですね。


実は、
ウォーキングやランニングの際には、
骨盤は左右の寛骨(仙骨を挟んだ左右の骨盤)の交互の揺れなどの動きが生じる
はずなんですね。
これはもちろん、そんなに大きなものではありませんし、故意にそうしようとするようなものでもありませんけれど、だからといって押さえ込んでしまっていいことはないんです。



この手の動きが生じることを「許す」必要があるんです。


自分の身体は自分でコントロールできる反面、
コントロールしてはいけない面もあると思うんです。


自然な動きというものを許すことをしませんと、
頭で考えた動き、あるいは科学的に正しいと言われる動きを身体に押し付けることになってしまい、身体という自然と敵対することになってしまう
のではないかと思うんです。


自然というのは未知に満ちているわけで(シャレじゃあありませんよ。。。)、
例えば、ウォーキング、ランニングの際の腕振りですけれど、
左右を同じように前後に動かすことが、本当に正しいのか?ということもあるんですね。


私は左右を同じようにということも、前後にという考え方も、不自然だと思っているのですけれど、
これを無理矢理に同じにすることは、自然がもたらすしなやかで強い動きではなくなり、
不自然であるが故の弱さを筋肉で補った硬い動きになってしまうのではないかな?
と思うんですね。



ただ、確かにこの「許す」ということは簡単なことではありませんで、
先ほどから例に挙げています骨盤の動きですと、お尻が落ちてしまっている人に、
そのままでいいですよというわけには、やはりいかないんですよね。
(こういう方の場合、骨盤の下側、つまり座骨側が前にばかり振れていて、後ろに振れていませんものね。)


このあたりのことをどう伝え、どう習得していってもらうかは、個人差もありますから一概には言えませんけれど、
少なくとも私は筋トレやストレッチでどうにかなるとは思っていませんで、
その問題のある箇所、今ですと骨盤ですけれど、そこに直接焦点を当てるのではなく、
別の箇所の動きを意識させることで、ある程度自然に導いていくのがいいのでは?
と思っております。


いやぁ、けれど本当に個人差ですからねぇ、、、
直接焦点を当ててはいけないということではないんですよね。。。


こういったところは、長いことお付き合いしながら、必要に応じて個人レッスンでできるのが一番なんですよね。。。



まぁ、それはそれとしまして、身体を動かす際に、
自然な動きを頭や筋力で押さえ込まない「許す」ということを考えていきますと、
今されているスポーツでも何でも、練習の仕方が変わってきて楽しいと思いますよ。


私自身ももう少し注意深く見ていきたいなと思っています。
何しろ、どこまでが自然で、どこからが癖なのか?
これも微妙な問題ですものね。





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