オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

静と動のうねり~交響曲のように

同じものを観たり、聴いたりしたときに、他の人がどんな感じ方をしているかを知るって、
なんだか楽しくありませんか?


「へぇ~、こんな風に感じる人もいるんだぁ。」とか

「そうそう、やっぱりそうだよね!」とか。



そんな中で、例えば前回紹介させていただいた感想のように、
他のものに喩えて述べられていますと、
自分でもなんとなしには感じていたけれど、
顕在意識に言葉としては上ってきていなかったことが、
鮮明に浮かび上がるきっかけになったりしますよね。



そこで、今回は私がずっと個人レッスンさせていただいているピアノの方からの、
こんな感想を紹介させていただきますね。


それにしても、さすがピアノの方ですね。
私も読ませていただきながら、

「はぁ~、そうなんだぁ。。。」

交響曲って、そういうことなのかぁ。。。」

と、音楽の楽しみ方の勉強にもなってしまいました。


それでは・・・




『JIDAIさんのブログに書かれていた他の方の感想等も読ませていただきました。
私も先日の作品、30分だから長いっていう風には全く感じませんでした。
家に帰ってから、そう言えば今日の作品は昨年のより長かったかな~と思ったぐらいでした。


感想にありましたピアニッシモやフォルテのたとえもそうですが、
音楽にたとえたくなる気持ち、すごくわかります。


JIDAIさんのマイムは音楽そのものと言ってもいいかもしれませんね。


特に先日のような長編は、まるで1つの交響曲を聴いている(見ている)ようでした。

交響曲にも何かしらのテーマがあり
(たとえばベートーベンの「運命」だったり「第九」
人間の尊厳や自由を謳っていたり、といった)

曲の中には部分ごとにストーリーがあり、悲哀やら失望、喜び、怒り、
それらがないまぜになった複雑な感情やら、色々なものがこめられていて、
聴いている側はいちいち、この部分は何を表現しているなんて考えなくても
なんとなく聴いて味わって、作曲家の伝えたいことを感じ取る、
そういうところが似ている、という感じですかね。



「母と海と子」というタイトルで、
ストーリーや部分部分何をしているのかすべて理解できたわけではありませんが、
全体として命の尊さというものが伝わってきたように思います。



JIDAIさんの動きは、途切れのないとてもなめらかな流れのなかで、
ずーっと緊張感が持続したなかで静と動のメリハリがすごいですよね。
あそこまで観客の注意を惹き続けるのは、
JIDAIさんくらい質の高い動きが出来る方でないとまず無理ではないでしょうか。


JIDAIさんの動きのなめらかさはピアノでいうと、
ものすごーくなめらかなレガートを聴いている気分でした!
ピアノでも、レガートを
「普通になめらか」に弾くのと
「ものすごーくなめらか」に弾けるのとでは、
演奏の質が全然違うのですよね。



それから、オーケストラでも本当に良い演奏の時は、
全体が途切れなく続くなかでの静と動の空気のうねりみたいなものに呑み込まれるような感覚があります。
まさに音楽を「体感している」感覚ですね。
JIDAIさんのマイムも同じような感じなのです。



一般的にマイムは「見ている」という感覚ですが、
JIDAIさんのマイムはもっと内面的というか、
観客であるこちらは
「その世界に一緒にいる」
という感覚でした。



ドビュッシー交響曲「海」というのがありますが、
これは海を客観的に描写したものではなく、
ドビュッシーの記憶の中にある海、
あくまでドビュッシーの感覚の中での海が存在しているという曲で、
JIDAIさんのマイムもそういったものに近いと思いました。』



読まれてみてどうでしたか?


私の作品を観なくても、この感想を聞いているだけで満足!という感じですよね(笑)


そして、私にはこの感想に負けないようにしなければ・・・
とプレッシャーばかりがのしかかりますね(笑)



ところで、今回の作品、複数の方に音楽に喩えられてダンスっぽいのかな?
と思われるかもしれませんけれど、
私はあくまでも、そしてどこまでもマイムであって、ダンスではありません。


もちろん、観る方にとってそれはどちらでもいいこと。
観る方にとっては、自分の心が掴まれたかどうか?だけですものね。



私は観に来て下さった方が
「パントマイムを観た」
「バレエを観た」
「歌舞伎を観た」
というような

安心感を覚えて欲しいわけではありません。



パントマイムを“通して”、観る方の心に入り込みたいんです。



これからも精進、精進ですね。






マイムから心と身体の平和を  http://www.geocities.jp/mime_jidai/