ずいぶん前に用意した資料なのですが、関節が柔らかいことと、動きが柔らかいことの違いや、柔らかい動きと硬い動きの違いや、関節が柔らかいことと、動きが柔らかいことの違いも、分っていただけるのでは?と思います。
(当時のままの文章です)
ではでは。
『テンセグリティー構造』を活かすために、『四輪駆動方式』をお奨めしていますが、もうひとつ重要な考え方があります。
それは、変な言い方になりますが、「関節の数を増やす」ということです。
えっ!?と思われると思いますが、もし本当に関節の数が増えたとしますと、どうでしょう。今より柔らかく、スムーズに動けるようになるとは思いませんか?
背骨はドーナッツが積み重なったようになっていますから、柔らかく動けますが、腕や脚の骨のように長い骨ではそうはいきません。
この長い骨、例えば前腕(肘と手首の間)を柔らかく動かすにはどうしたらいいでしょうか?
肘と手首の間に関節はありません。関節の無いところで曲げることは不可能です。
(曲がっていたら、骨折ですよね。)
私たちはカラダを動かす際に、無意識の身体イメージの下に動いています。骨は硬い棒ですから、その途中で曲げることはできません。骨と骨のつなぎ目である関節を支点として、動くものだと思っているのです。
ですが、この棒の中間に支点をつくると、どうでしょうか?
こうなります。
ぜひ実際に、例えば前腕を動かしてみて下さい。上下だけでなく、左右でも出来ますし、回すことも可能です。結構、難しいですよね。(出来ているのかどうか、自分ではよく分らないかもしれません。)
これが、「関節の数を増やす」ということです。正確には、「動きの支点を関節と関節の間に置く」ということですが、イメージ的には「関節の数を増やす」で、おかしくないのでは?と思っていますし、その方が楽しくありませんか?
ところで、これに似たようなこと、皆さんも子どもの頃に一度はやったことがあるのではないでしょうか?鉛筆の真ん中を持って揺すって、硬いはずの鉛筆をぐにょぐにょとさせた経験。
もちろん、人間の体でそこまでぐにょぐにょは難しいでしょうけれど、理屈は同じです。
これはもっと複雑に動かすことができます。それは、棒を揺すりながら、同時に、この支点(赤丸)を円運動をさせるのです。
もうほとんど、何だか分りませんね(笑)
これは、「支点の無い動き」といえるのではないかと思います。
このような骨の動かし方を、腕だけでなく、特に体幹部に使えると、身体パフォーマンス力は相当変わってきます。
特に、お奨めするのが、『四輪駆動方式』で挙げました「鎖骨」と「骨盤(寛骨)」です。
「鎖骨の中間点を支点とする」「骨盤(寛骨)の中間点(股関節と仙腸関節の間)を支点とする」
鎖骨の動きは、ほぼ肩甲骨に付随するものですから、肩甲骨の中心を意識しても良いかと思います。
このように、中間点を支点とすることで、その骨の両端が同時に動きます。骨盤部では、股関節と仙腸関節が、鎖骨部では、胸鎖関節と肩関節が、それぞれ同時に動いてくれるということになります。
テンセグリティー構造を活かす、真の『四輪駆動方式』のスイッチが入りやすくなると思います。
これに、先ほどの前腕などの他の部位にも、その中間点に支点を持たせた動きをさせることが出来ますと、全身のあらゆる関節が動くことになります。
それも、とても小さな動き、労力で。
それは、全身の骨が”たゆたう”ような動きであり、柔らかい動きとはこういう動きをいうのだと思います。また、小さな力ですが全身を動かしていますから、部分的な動きに比べ、発揮出来るパワーは大きくなります。
以上です。参考になりましたでしょうか?