「へぇ~」と思うのか?
「ああ!そうか!」と思うのか?
この違いは大きい!
先日、バレエの先生を長年されている方への個人レッスンだったのですが、
「何かモノを取りに行く」
というシンプルな動作のレッスンの際に、
その方は
「ああ!そうか!」
という反応を示されたんですね。
ご自身が生徒さんに踊りの指導をする際に、
「もっと気持ちを込めて欲しいなぁ」と思うようなことがあっても、生徒さんには難しい。
「呼吸をして」と言っても、求めるようなものにはならない・・・
そんな経験をずっとしてきている中で、
今回の「何かモノを取りに行く」レッスンの理論が、
ご自身が動いてみた時に、
「ああ!そうか!これだ!」
と深く合点がいったようなんですね。
ご自身が悩まれていたり、疑問に思っているところがあったからこその反応ですよね。
この先生は「これは本当に必要なことだ」と、
これからはマイムの通常クラスと個人レッスンを併用して学ばれていくことに。
相当にお忙しい先生のようなんですけれど、ご自身の学びを大事にされ、
こんな先生の下で踊りを学ばれている生徒さんは恵まれているなと思います。
ところで、これがもし、
「へぇ~」
という反応しか生まれなかったとしましたら、
それは、悩みや疑問を持たずにやっていたということでしょうから、
その時は仮に感心しても、じき忘れてしまうでしょう。
この「へぇ~」と思うのか?「ああ!そうか!」と思うのか?は、
私も毎日のようにどちらもありますし、皆さんもあると思うんです。
私はやはり、「へぇ~」と思うものは、すぐに忘れてしまいます。
要するに、他人事なんですね。自分のこととして捉えていないわけです。
運動でもボディワークでも、自分のこととして捉えていませんと、
教えられたことをただ鵜呑みに信じて行なうだけになってしまい、
ちょっとでも違うアプローチのものは、受け付けられなくなってしまいやすい。
それは、自分で発見する、気づく力が無いということで、
「へぇ~」はあっても、「ああ!そうか!」ということが少ないんですね。
ボディコンディショニングのクラス(表現もマイムも一切無しの、純粋に身体のクラス)には、
身体の専門家であるロルファーや鍼灸師の方も参加されているのですけど、
こういう方達はやはりいろいろと敏感に感じ取り、毎回クラスでは
「ああ!そうか!」
と何度も目をキラキラさせています。
(もちろん、身体の専門家でない人たちも、
みんな「ああ!そうか!」って目をキラキラさせていますよ~。
そんな人の集まりで、楽し~っ!!)
ちなみに、私の日本舞踊の師匠はいろいろ丁寧に教えて下さるので、
他のところで習われていた方の多くが、
「ああ、そういうことなんですね!」と、
これまでの師匠は教えてくれず、よく分らず何となくやっていた動作やフリなどに合点がいって、
やっぱり目をキラキラさせるんですね。
こういう経験って、楽しいですよね。
もちろん、「へぇ~」も、そこで終わりにするのではなく、
自分で「ああ、本当だ!」ってなるように試行錯誤のきっかけに出来たら、
それは素晴らしい!
とまぁ、偉そうにお話していますけれど、
私もどれだけ多くの「へぇ~」をそのまま捨ててきているか、皆目見当もつきませんが・・・
それでも、自分のクラスではなるべく多くの
「ああ!そうか!」
が生み出されるような雰囲気にしたいなと思っています。
そうそう、表現に全く感心の無い人に「何かモノを取りに行く」の理論で
「ああ!そうか!」とはならないとは思いますけれど、
この動作は空手の突きなどにも通じる理論なんですよ。
そういうこともあって、武術、スポーツ系の方もクラスに興味を持って下さる方が、
今は少ないながらもいらっしゃる。
こういう一見自分とは関係無さそうなところから、
「ああ!そうか!」を掴み取れる人は、楽しみに広がりがあるでしょうし、
遠回りのようでいて、近道だったりするのではないかと思います。
私も心がけたい。
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