オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

良い身体になっても、良い動きはできない!?

赤ちゃんのような身体

というのは、ある意味理想かな?とは思うんです。


筋力まかせではなく、身体の構造を上手く使った全身の連動性の高い動きをしますでしょ?
関節や筋肉も柔らかく、偏りが無い。
バランスがいい!まとまりがいい!


ですから、
赤ちゃんのような身体になれば、いい動きが出来るようになる!


と、思っていたんですけど、
あらためてよ~く考えますと、それは違うなと思うようになったんです。



ずいぶん前になりますけれど、
とある有名であろうボディワーカーの方の開催する短期講座に参加したことがありまして、
その中には動きに関するワークも含まれていまして、
そのワークで、大きな効果を感じて歓声を上げる参加者の方もいらっしゃったんですね。


それはそれでいいんですけれど、
どうひいき目に見てもそのボディワーカー自身の身体は、良くないんです。
ボディワーカーはお二人いらっしゃったんですけど、
お二人とも、身体も動きも良くないんです。


それは、お二人ともご自身でも自覚されているようでした。
そんなことをおっしゃっていましたから。



まぁ、ご自身の身体の悪い整体師のような方は、たくさんいらっしゃいますけれど、
セルフでの身体調整や動きの指導もされている方が、どうしてなんだろう?
と思ったんですね。


知識は間違いなく物凄く豊富でしたし、きっと施術も上手なんだろうと思うんです。
(施術はしていただいていませんが)
私も、その方たちの著書を持っているくらいですしね。



このボディワーカーの方に限りませんが、
ご自身が動くことをしていない、身体の専門家の方は、
動きをどう考えているのか?


動きに対する考え方に問題があるのではないか?



・・・で、思ったんです。


筋肉、筋膜、関節などの軟部組織に本来の働きを取り戻してもらうことで、
バランスの良い赤ちゃんのような身体になったとしましても、
動きは良くならないんじゃないかと。


といいますのは、元々私たちはみんな赤ちゃんだったんですよね。
とても良い身体だったんですよね。
それが、いつの間にか問題を抱えた身体になってしまったわけです。


どうしてか?


大きな要因が、動き、身体の使い方に問題があるから。



動きというのは、学習なんですね。
普通に立って歩く、座る、振り向く…といった、何でもない日常の動きですら、
学習の結果なんです。


赤ちゃんの頃から親、兄弟、友達など、身近な人の動きを見て無意識下で真似することで、
身につけていっているんです。
ミラーニューロンの働きなんでしょうね。


生まれた時から周りに猿しかいなければ、
猿のような動きしか出来なくなってしまうということですね。


逆に、周りが良い動きをする人たちばかりでしたら、良い動きになる。



つまり、

赤ちゃんのような身体だから良い動きになるのではなく、

動きは動きとして学ぶ必要がある

ということだと思うんです。



いくら、赤ちゃんのような理想的な身体になったとしましても、
これまでの人生で身につけた動き、身体を動かす神経回路は基本、元のままな訳ですから、
一時的に身体が軽くなったとしましても、徐々に元の重い身体になっていくのは、
時間の問題なわけです。


私たちは、何も敢えて苦労の多い身体の使い方を学んできたわけではないはずなんです。
当人にとっては、それが一番楽で効率的だったんです。
もちろん、他人から強制されて身につけた動きもあるとは思いますけど、
振り向き方とか手のあげ方とか、階段の上り方とか…
ほとんどは自分なりの楽な方法で行なうようになっているはずですよね?


整体師やボディワーカーの手で、赤ちゃんのような身体を手に入れても、
自分の記憶、神経回路の働きに残っている楽で効率的な動きをしたくなるのは当たり前なんです。
何しろ楽なんですから。


で、ここが問題なんですね。


その、自分では

楽で効率的としてきたものが、

実は非合理的なものだった

ということなんです。

つまり、本当は楽ではないにもかかわらず、

今までは勘違いをしていた

ということなんです。



けれど、その勘違いは他人の手では正せない。
勘違いを正すのに、知識は役に立ちはするものの、身体には身体の記憶があります。

その身体の記憶の書き換えをいかにするか?

なんですね。
自分で動くしかないと思うんです。



私は、自分の身体に触れながら動くことがとても力になると思っています。
JIDAIメソッド」ではよく触ります。
生まれてから一度も触ったことの無いようなところが多いですね。


まぁ、それはおいておいて、

どんな動きが良いのか?

に対する考え方が、とても重要

だと思うんです。



例えば、信号待ちから歩き出すとき、足で地面を蹴る(押し出す)感じか?足が浮く感じか?
前ならえで腕を前に伸ばすときの肘の向き、内側が内向きっぽいか?上向きか?
といった、一見些細なものが実はとても大事だったりするんですね。


ちなみに、共に前者は筋力頼りの傾向が強いので、今はそれが楽なように感じていても、
実は負担が大きいんですね。
(ケガや、故障につながりやすい。同じ成果・パフォーマンスを上げるのに無駄が多い
体力の消耗が早い。ということになります。)



ですから、動きに関しまして、こういった勘違いを解いていくお手伝いをする必要があると思うんです。


それは、知識としてではなく、
どうしたら、それを身体で納得してもらえるか?
どうしたら、それを身につけていけるか?
どうしたら、自分ひとりでも練習できるか?
どうしたら、瞬間的な動きでも、大きな力を発揮するような時でも実現出来るか?


感覚とのつき合い方を伝授していく感じでしょうか。

(四足歩行は役に立ちますよ~)


そうしていきますと、
赤ちゃんのような身体になってから、
良い動きを身につけていくというよりも、
良い動きをし続けていくことで、赤ちゃんのような身体になる。
そんな流れが出てくるのではないでしょうか?


楽しくありませんか?








Body,Mind&Spirit 本当の自分の身体は天才だ!




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