動き過ぎてしまう。
けれど、動けていない。
このことを、体で実感できるかどうか?
それが、身体表現(マイム、踊りに限らずお芝居でも何でも)する上では、
重要な関門だと思うんです。
で、本当に実感するためには、
動けている状態を味わう。
動けたという経験をする。
おそらく、そうした時、本当の意味で、
動き過ぎていたんだなぁ、動けていなかったんだなぁと分かるんですね。
今日の『表現者のためのアートマイム・レッスン』第2回目では、
そんなことを経験してもらいました。
「そよ風」を題材にしたワークで、それは、まず思い思いにそよ風を表現していただき、
その後、心情に意識を向けたワークを行ないまして、再びそよ風を表現するというものです。
参加者の皆さんだれもが、
最初よりも後で行なった方が、
動き自体は小さくなったのですが、より、そよ風らしさが表現されていました。
もちろん、みなさん自分でも実感されていて、
「最初の方は、無駄な動きをしていたんだなぁ」
「後の方が、体全体で表現できていた感じがする」
「後の方が、より明確になった」
という声が上がりました。
そうなんです。
自分が動き過ぎているかどうかは、より良い動きが出来て、初めて分かるんですよね。
動けていないということも、やっぱり、より良い動きが出来て、初めて気がつけるんですよね。
たとえ、何となく分かっていても、
じゃあ、どうすればいいの?
で、結局ずっとそのままになりがち。やがて、それでOKにしてしまう。
動き過ぎてしまうのは何故か?
それは、不安だから。
表現しようとしているものが、本当に表現できているかどうか不安だから、つい動きすぎてしまう。
動けていないとはどういうことか?
それは、表現不足ということ。
表現が足りていないということは、何かしら動きが足りていない。動けていない。
なので、
動かないでいられる身体をつくる。
動かないでいられる身体で、しっかり動く。
このことが、稽古の大事な要素になるんですね。
気を付けないといけませんのが、
内面重視で一見「動かないでいられる身体をつくる」をしてしまいますと、
動けなくなります。
それは、
動きの無い身体をつくる。
になってしまっているからです。
「動かないでいられる身体」と「動きの無い身体」とは、全く違います。
さて、
動けるようになるためのレッスンは、巷に多くあります、
動かないようにするレッスンは、
演劇系(内面重視派)、ボディワーク系には見られるかもしれません。
けれど、大事なのは、
動かないでいられる身体で、しっかり動けるようになること。
どう思われますか?
P.S.
ポーランドでの国際マイム芸術祭に、ゲスト講師として招待したいただき、
作品上演やレッスンをしてまいります。
そのため、今月15日~24日は全てのクラスがお休みとなります。
そして、26日(月)は『マイミクロスコープ ~夜のアートマイム劇場~』@シアターカイ
どうぞ、お楽しみに。
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Body,Mind&Spirit 本当の自分の身体は天才だ!