今年に入りましてから、声のレッスンを始めましたけれど、
先日の「JIDAIメソッド ボイスヒーリング」のクラスで、こんなことがありました。
このときは、マンツーマンだったこともありまして、
生徒さんの個人的なペース、内容で進めていたんですね。
この生徒さんに限るわけではありませんけど、
声を出していくレッスンの際に、まず皆さんに行なっていただくことがありまして、
それは、胸の奥を柔らかくしてもらうことなんです。
柔らかくという表現は、正直あまり的確ではないのですけど、
この胸の奥といいますか胸の裏側は、緊張しやすくてですね、
この緊張が取れませんと、声がいい感じでは響いてくれないんです。
この生徒さんも、しばらく緊張が取れないでいたんですね。
声を出さずにいる時は、それほどの緊張ではないのですけど、
声を出そうとしますと、閉じてしまう感じなんです。
そこで、軽く私が手を添えるなどして、感覚を誘導していきましたら、
本人にスッと抜けるような感覚が生まれた
ようなんです。
それは出ている声で、私にも分かりました。
そうしましたら、その生徒さんの目から
涙が流れ始めたんです。
うれし涙ではありません。
本人も言っていましたけど、何か抑え込んでいたものが溶けたような感じで、
何故か涙が出てくると。
ところが、「レッスン中だし涙をこらえなければいけない」と思っているように、
なんとなくですけど見えたものですから、私は
「泣いていいんですよ。」と。
わんわんと泣くようなものではなく、ただ涙が落ちるに任せるという感じです。
「あぁ、私はこんな風に生きてきたんだなぁ。。。」
と、思われるものがあったようで、けれど、涙を流せたことで、
「ボイスヒーリングって、本当ですね。」と。
その後の声の感じ、大きく変わりましたよ。
本人ももちろん実感し、気持ち良さそうでした。
声を出せない人は概ね、同じような傾向があるように感じます。
胸の奥、裏側が閉じている。
なので、呼吸も浅い。
けれど、こういう人に、呼吸を深くしましょうと言っても、なかなか難しいでしょうし、
そもそも緊張を感じ取ることも難しいかもしれない。
それなりに呼吸できてると思ってしまうんです。
何しろ、それが当たり前の状態なわけですから。
それがですね、声を出すことをしますと、分かるんですね。
自分のことを客観視しやすくなるんです。
そして、緊張の原因が何なのかを具体的に探さなくても、緊張が緩めばいいと思うんです。
今後の生活の中で、そこに緊張が生まれないようにすれば、いいんです。
何も悪さの原因を突き止めようと、躍起になる必要はないと思うんです。
緊張さえ生まれなければいいんですから。
それでももちろん、緊張が生まれそうになることはあるでしょう。
けれど、その瞬間、
「あぁ、こういうことから、私は自分を守ろうとしているんだな。」
といった気づきが起きます。
そういった要因はひとつではないでしょう。
様々なことが、大なり小なり緊張を引き起こしているのだと思います。
そんなとき、この生徒さんのように、一度でも緩んだ経験をし、
それを声の出方で客観視したことがありますと、
そういった要因と上手くつき合えるようになりますよね。
そうして、さらにしっかりと声を出せるようにしていけば、
自分の内面との新しいつき合い方が出来てくると思うんです。
声は内面との繋がりが大きい。
内面の問題を、内面で直接向き合うのは、非常に厳しく難しい面がありますけれど、
声の出し方を頼りに、柔らかく内面に変化を起こすことができる。
声を体に響かせる・・・それは単に、肉体的な内側だけでなく、心という内面にも響いてくる。
ご興味のある方は、毎週土曜の「JIDAIメソッド ボイスヒーリング」
あるいは、
３月１日（日）のワークショップ『声（音）を体に響かせる〜身体感覚を磨く』
お待ちしております。
３月1日 『声（音）を体に響かせる〜身体感覚を磨く』
Body,Mind&Spirit 本当の自分の身体は天才だ！
