オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

胸式呼吸と腹式呼吸とゾーン

胸式呼吸と腹式呼吸ってありますでしょ?


一般的には、腹式呼吸が良いといわれますけれど、
ある人気のトレーニング法では、胸式呼吸を重視しているようです。



呼吸は自律神経と深い関係があることはご存知だと思います。






胸式呼吸ですと、交感神経が優位になるわけですけど、

それは身体を緊張させるということ。

戦闘モードともいえまして、脈拍が高くなり、いつでもパッと動ける状態ですね。






腹式呼吸の場合は、副交感神経が優位になりまして、

これはお休みモード。

リラックスしている状態ということで、

瞑想が良いとされるのも、心を落ちつかせるといった精神面だけでなく、
こういった身体的なことも含めてのことですね。




日常生活では大抵、腹式呼吸を勧められますよね。




けれど、胸式呼吸を重視した人気のトレーニング。




これは、もともと負傷した兵士のために考案されたリハビリ・エクササイズですから、
筋肉を強くするためという意味合いが強いんですね。



緊張を負荷として筋肉を鍛える。



胸式では、酸素の巡りが腹式に比べて、少なくなりますから、
ある意味、緩やかな加圧トレーニングといってもいいのではないかと、
私なんかは思っています。





ところで、

私のような身体表現者はもちろん、アスリートでも音楽家でも、

本番で重要なことは何でしょう?





と、あらためて確認するまでもありませんよね(笑)




リラックスですね。




とはいえ、

お休みモードでは困ります。



肉体は、

瞬間的な対応ができるようにしておく必要がありますものね。


戦闘モード。





だからこそ、リラックスが難しいわけですが・・・





呼吸・・・どうしましょ?






少し話は飛びますけれど、何度か話題にしました


「ゾーン」。




これは、スポーツでも演奏でも、もちろん身体表現でも、


活発に活動しながら、

同時に瞑想状態


なのではないかと思うんです。






高い集中状態で、いわゆるエゴが消え、リラックスの度合いも深まり、
全能感や宇宙との繋がり感を覚えたりもする。




ゾーンに入ることは、容易ではないといわれていますけれど、
活発に活動しながら、同時に瞑想状態なんて、確かに矛盾していますものね。




けれど、

私たちのマイム(アートマイム、オーガニックマイム)では

ゾーンに入っていることが前提条件

というお話を覚えていらっしゃるでしょうか?





少なくとも、ゾーンの入り口にはいつでも立てるようでなければいけない。


もちろん、そのための訓練方法がある。




最近、クラス生の何人もが、この入り口を経験していまして、
みんな一様に、自分の体験に驚きを感じています。



普段の感覚とは全く異なり、自分でないかのような、
それでいて自分の核と繋がっているような。




ただ、ちょっと気を許すと、そこから抜けてしまうことも体感していまして、
物凄い集中力を要するのだと思っているようです。
(集中をすれば入れるというわけではありません。結果として集中しているだけです。)



いずれにしましても、曖昧な感覚ではなく、はっきりとオンオフが分かるものなんです。





ということで、

レーニングの際の呼吸のことをあらためて考えてみますと、


ゾーンに入る可能性を高めたいかどうか


のように思います。





胸式呼吸は筋肉を効率良く鍛えられる。

一方、筋肉を活動的に働かせることと胸式呼吸が結びついてしまうでしょうから、
ゾーンには入りづらくなってしまうように思います。




腹式呼吸では、筋肉を活動的に働かせることは、簡単ではないかもしれませんが、
ゾーンには入りやすくなると思います。





ちなみに、瞑想ではよく呼吸に集中しなさいといわれますけれど、
アートマイム、オーガニックマイムでは、
ほぼ100%最初から最後まで呼吸に目を向けているといっても過言ではないんです。



動いている間ずっと、呼吸を観ているんです。

(観ているだけではないのですけれど・・・)






戻りまして…
胸式呼吸でトレーニングしたからといって、ゾーンに入る可能性がゼロになるとは、
私には言えません。分かりません。




ただ、少なくとも、表現に関していいますと、


胸式呼吸は神経を興奮させますから、

自分では表現している気になってしまいやすい。


独りよがりに陥りやすいんです。






逆にいいますと、きちんとした訓練を積んでいませんと、
舞台上で自分のテンションを高めておくために、自然と胸式呼吸になってしまいます。


(単純に腹式呼吸でセリフを言えばいいということではないので、ここも注意が必要です。)





実践、本番の場で、リラックスしつつ活動的であるために、
レーニングで何ができるか?
ですね。





そもそも、私はこれまで胸式呼吸とか腹式呼吸ということを、
取り上げたことがなかったのですけど、

それは、エネルギーの通り方こそが重要であって、
どちらかの呼吸にしましょうということではなかったからなんです。





ただ、ここのところ、一旦は呼吸の仕方を厳密に指導したほうが、
エネルギーの通りというものが理解してもらえるようなので、
今回、あえて取り上げてみました。


(クラスでは一般的にいわれる腹式呼吸とも、また違ったものですが・・・)




何か考えるきっかけになればと思います。





  12月3日 『声(音)を体に響かせる 〜自分の真実に出会う

                 https://www.facebook.com/events/1627975537476174/




  12月6日 『エモーショナル・ボディワーク 〜 感情と身体〜

                 https://www.facebook.com/events/1685062018446643/
                 



           12月13日 『原始歩き同好会

                 https://www.facebook.com/events/1675269659377807/




       
   12月13日 『動作塾』(今月のテーマ「キック・蹴り」)

                 https://www.facebook.com/events/1513821935609074/





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