ゴスペルの先生曰く
魅力的に歌うコツのひとつとして、
「ローーーード」
ではなく、
「ロオーーーード」
といった感じにするといい。
こういうことって、
なんとなく分かっていた気がする
とは思うものの、
こうして明確に言葉にしてもらえると、
全く違いますよね。
意識の仕方が変わりますものね。
先生、すごい!
ところで、これ、実は、
こんな表面的なことではなく、
もっと奥深いところに
つながっていったのです。
それは、いつものように
自分の発声の練習をしているとき、
前回までのお話の中心であった
「圧縮力」を
この歌い方に掛け合わせていましたら、
ふと、閃いたんです!
子音と母音を
ハッキリ分けて発音・発声しようと。
で、これが、凄かったんです。
ロード…LORDなんですけど、
これを
L + ORD
つまり
「ルゥオーーーード」
にする感じですね。
ただし、やはり
「ルゥ」ではな「 L 」です。
日本語は常に子音と母音がセット
になっていますでしょ?
ですから、
「ルゥ」には、どうしても「ウ」の音が、ついてきてしまうのですね。
けれど、「 L 」には「ウ」の音はないんです。
これが、以前お話した
子音は響かせられない、
ということにつながるのです。
こうなりますと、「 LORD 」は
「ロオーーーード」の方が
「ローーーード」よりも良いとしても、
あくまで「 L 」に「オ」の音をつけて、
そこからさらに「オーーーード」となるわけです。
ここに、
問題が2つ生じるのです。
ひとつは、どうしたって日本語の発音で、英語ではない。
もうひとつは、「オー」に入る時間が遅れてしまうのです。
(時間の問題ですが、わざとらしく聞こえる方が、問題!)
こうして文章ですと、伝わりづらい面はありますが、
「ロオー」は、結局、母音を2つ発音しているんですね。
(「 LO - OR 」ということです)
一方、
「ルゥオー」(厳密には「 L-OR 」)では、母音は1つです。
そうしますと、
グン!と盛り上がる「オー」に入るタイミングが、
前者日本語的発音では遅く、
後者の子音+母音では、サッと入れるわけです。
お分かりいただけましたでしょうか?
もうひとつ例を。
例えば、「 MY 」ですと、
日本語的発音では
「 MA - I 」
子音+母音では
「 M - AI 」
となります。
これを、
母音を強調して(長めに伸ばすと分かりやすいです)
もちろん、
子音+母音の時には、
子音は単独でハッキリ発音して、
声に出しますと、
きっと、違いがハッキリすると思います。
「 MY LORD 」の
「 MAA - I LO - OOR - D 」
と
「 M - AAI L - OOR - D 」
の違いです。
私は日本語しかできませんから、
英語の、子音だけの発声というものが、
これまでよく分かっていなかったのですが、
今回の歌の発声で、
ようやくではありますけれど、
ハッキリ分かりました。
と、これはここ一週間くらいの
出来事だったのですが、
先日の声のワークに参加下さった
の方が、
後日、こんなお話を伝えてくれました。
声のワークで行なった、あるエクササイズによって
子音と母音の扱い方を変える必要
があるのだと
体で分かった。
これまでも、そう教えられてはきたけれど、
本当の意味では
腑に落ちていなかった。
よかった!
と。
本場イタリアに留学していた人でも、
こういったことを、体で理解するというのは
簡単ではないんですね。
(※そんなこともあって、
今回のタイトル、あえて大袈裟にしてみました。)
それにしまして、
能の謡は、日本語ですから、
ゴスペルをしていなかったら、
それも、先生が魅力的な歌い方のお話をしてくれなければ、
気がつけなかったと思うので、
いやぁ、ありがたいですね。
感謝です!