オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

音程のズレと筋力

声にまつわることをしていると、

色々と気づかせてくれるんですよね。

 

以前、少しお話したことがあるのですが、

ある歌の先生(先生というスタンスではなさそうなのですが)

この方、生徒さんの音程のズレには敏感で、

もちろん、ご本人は必要な高さの音を、

いつでもなんでもポン!と出せるんです。

 

で、普通に歌っている時は、

上手…と言うのも変ですけど、もちろん、上手なんです。

 

ところが、大きな声でノリノリで即興的に歌い始めますと、

なぜか、スットンキョウになるんです。

 

音程がズレまくるんですよね。

 

これは、本当に不思議で・・・

ずっと長いこと、その理由が全く分からなかったんです。

 

どうして、

あれだけ人の音程のズレが分かり、

本人もきちんと、どんな高さの音もポン!と出せて、

歌も上手なのに・・・

 

 

 

???

 

ですよね。

 

 

 

けれど、ようやく分かった気がするんです。

 

恐らくですけど、

大きな声を出せるだけの筋力が無いんです。

 

 

例えば、歳をとった歌手の人って、音程が微妙だったりしますでしょ?

 

若い時は音程がぶれることなく歌えていても、

筋力が衰えて、吐く息や共鳴腔のコントロール

緩くなってしまっているんですね。

 

音程が微妙になってしまっていることに

本人が気づいているのかどうか?

そこはよく分かりませんけど、

気がついていないのではないかと。。。

 

 

つまり、

脳の中で

自分の声(音程)を補正して聴いて

しまっているのではないかと思うんです。

 

 

声ではなく、身体の動作ですと、

鏡を見ながら動いている時は、それなりに動けていると思っていても、

映像で見ると、え?こんななの?と

結構なショックを受けるものなんですけど、

それと同じかな?と思うんですね。

 

 

録音して聞けば、さすがに音程のズレは分かると思うんですけど、

歌っている時は、発声の際の筋肉感覚が、

きちんとした音程を出すよう働けていると、感じるのでしょう。

 

ですから、実際に出ている音に補正をかけて、認識してしまう。

 

 

このようなことから思いますに、

発声ではなく、

身体の動作も、

ゆっくり丁寧にといったものばかりしていたのでは、

いざという時、やはり役に立たない

と思うんですね。

 

 

そして、実際に、

動きの悪いトレーナー業の人もいるものなんです。

 

エクササイズは上手なのかもしれないですけど、

ちょっと早く歩くといったようなものが

え?ということがあるんですよね。

 

 

なんにしましても、

大きなパワーを出す際には、

それに見合った筋力とそのコントロール力は、

絶対に必要です。

 

小さなパワーで済むことが上手く出来ていても、

それはそれ、ということなんです。

 

 

ですから、自分の動きは映像で見ること!

客観視は、何より重要ですね。

 

自分自身がおかしさに気がつかないことには

始まりませんから。

 

 

発声は、色々教えてくれます。

 

 

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