「良い歩き方って?」で少しお話しましたけれど、
良い歩きとは、全身が体幹を中心に、くまなく動くことです。
けれど、私たちは体を
「四角い箱から棒が出ている」
とイメージしています。
これはほぼ無意識下のことですけれど、そのために、良い歩きをしようとしますと、
「背筋を伸ばして、脚を大きく動かし、腕を前後に振る」
ということを考えてしまうんです。
どうでしょう?
長く真っすぐに立った四角い箱と、そこから出た棒が、腕や脚のように大きく前後に振られている姿ではありませんか?
これにプラス、「肘を90度に曲げて」としますと、まさに、いわゆるウォーキングの姿ですね。
私はこれはおすすめできません。
こんなに緊張した状態では、心地よいはずがありません。
(心地よいといいますのは、主観的なことですけれど、
「自分は頑張ってる!」「自分はシャキッとしている!」
ということに心地よさを感じてしまうかもしれません。)
先日の「歩きのワークショップ」を受講して下さった方から、こんなメールをいただきました。
『受講後の撮影で歩いた時に既に感覚に違いが感じられましたが、
帰り道でさらに歩きやすさと加速のスムーズさがより実感できて、
つい家まで歩いて帰ってしまいました(笑)
(1時間弱かかるんですけどね)
送っていただいた映像を見ても違いがよくわかりますね。
上下や左右のぶれが減ってなんだか歩きやすそうだし、きれいに見えました。
こうして映像で確認できるのはやっぱ良いですね!(^-^)
以前に別のところでも「歩く」ワークショップを受けたこともあるんですが、
ジダイさんの方が「移動」しやすくて、
エクササイズも手軽にやれそうかなって思いました。』
1時間弱かかるところを、思わず歩いてしまう!
すごいですね。女性ですよ。
私もびっくりです。何もそこまで!(笑)
とはいえ、やはり嬉しいですね。
別の女性は、次の日、脚の内側が筋肉痛だったそうで
(まだ20歳前で、ダンスをやっている方です)
「これで痩せられる」と喜んでいただいているとのことでした。
そんな筋肉痛になるほどのことをしたかしら?と思ったんですけど・・・
それに「脚の内側を意識して、しっかり使って」ということも、全くお話しませんでしたし・・・
けれど、自然にそうなっていたということなんですね。
脚の内側が普段ほとんど使われておらず、そのせいもあってということなんでしょう。
この女性はきっとダンスもぐんっ!と良くなるでしょうね。
ちょっと話が逸れてしまいましたけれど、「思わず1時間も歩いてしまう」ような、
そんな心地よさがあってこそ、良い歩きだと思うんです。
それでいて、この女性が「きれいに見える」とご自分でもおっしゃっているように、
良い歩きといいますのは、決していつもより頑張ってきれいな姿で、
しっかりと手足を動かして歩こうというものではないんです。
「心地よさ」が「きれい」を導き出してくれるんです。
きれいでいようとしていることに、心地よさを感じるのとは、全く違うんです。
私がマイムから派生させています<オーガニック!!トレーニング>の
『快適美スロー体操』は、こういうことなんです。
無理・無駄のない動きは、快適で美しい!!
先の女性の「エクササイズも手軽にやれそうかな」でも、お分りいただけるように、
それを手に入れるのに、そんな一生懸命なエクササイズである必要はないんです。
快適で美しい歩き方といいますのは、無理・無駄がないということであり、
それは最初にお話しましたように、「全身が体幹を中心に、くまなく動くこと」です。
ワークショップで行いました「背泳ぎ歩き」は、それを簡単に実現させてくれます。
『快適美スロー体操』でも必ず行いますし、
『動作スキル』トレーニングでも重要な要素になります。
「背泳ぎ歩き」でイメージは沸くと思いますので、よろしければお試し下さい。
決して「クロール」ではありませんので、ご注意を!
あくまで「背泳ぎ」で、それも「前進」です。後ろ向きに歩かないで下さいね。
背泳ぎしながら後ろ向きに歩きますと、転んでしまいますよぉ。