オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

運動も表現も、“呼吸ぢから”で!

呼吸が大事だということはよく言われますよね。

一般的には腹式呼吸をしましょうと。


そういえば以前、「自己整体真呼吸クラス」で胸式呼吸を使ったトレーニングをしましたら、
体験で受講されに来ていた方が、

「私は腹式呼吸しかできません!」

と、まるで胸式呼吸が悪であるかのような態度をとられて、びっくりしたことがあります。


呼吸の仕方で何が良い悪いというのは、一概には言えません。

何でもそうだと思うんですけど、
状況や環境に応じて最善の方法が自然に選択されるというのが、
理想ではないかと。


特に、私たちマイムという身体表現では、あらゆる呼吸法を使い分けていきます。
それは自然にも、故意にもですね。


ところで、あらゆる呼吸法といいましたのは、
腹式、胸式だけでなく逆腹式や密息も使うからなんです。

(「密息」は一般的な呼称ではないのかもしれませんし、
厳密な意味で私たちが行っているものが密息かどうかは分りませんが、
似たものではあると思います。
吸う時も吐く時も、お腹を膨らましたままにしておきます。)


このような様々な呼吸法を使いこなしていくわけですけれど、
ただ呼吸をしていれば良いというのではありませんで、
私たちの「JIDAIオーガニックマイム(前ポーリッシュマイム)」では、
これら呼吸との繋がりで非常に重要な動き方に、
「オープン/クローズ」というものがあるんです。


「オープン/クローズ」は見た目の動きだけでなく、
エネルギーの「イン/アウト」でもあり、
それは心理状態であれば「ネガティブ/ポジティブ」
とも言えるものです。

ですから、運動面でも表現面でも、非常に重要でありまして、
JIDAIオーガニックマイム(前ポーリッシュマイム)」の“肝”と言えるものなんです。

私がこれをある程度使いこなせるようになったと感じるまでに、
10年くらいかかりました。
(今の私のクラス生は、私が試行錯誤した分だけ若干は効率的に学べるようになっていますから、
そんなに時間はかからないと思いますよ。)


さて、呼吸はその方式や肺活量だけでなく、
呼吸のスピードや強さも大事な要素ですね。
肺活量よりも大事かもしれません。

特に表現の面から見ますと、
単にスピードが速いでありますとか、強いであるということでなく、
そのコントロール力、遅くしたり速くしたり、弱くしたり強くしたり
といったことが大事なんですね。

運動面から見ましても、こういったコントロール力は役に立つのではないでしょうか?


私たちのマイムでは、様々な心理状態やキャラクターを演じますから、
それにあった呼吸の状態というものを作っていきます。

それだけに扱う呼吸の変化の幅は、とてつもなく広いですし、
広くなればなるだけ、表現の幅も広がるというわけですから、
否応無しに呼吸に対して敏感になっていくんですね。

私はこれを“呼吸力(ぢから)”だと思っています。

この“呼吸ぢから”に興味を持って下さる方が増えるとうれしいですね。




マイムから心と身体の平和を  http://jidai9.wix.com/jidai