動きが良くなったらいいな。
そう思う人は多いと思うんです。
そもそも、この記事を読んで下さっているのは、
動きに興味がある方ですものね。
私の著書でも『動きの天才になる』が一番人気があるようで、
やはり動きを良くしたい人は多いのだと思います。
ところで、動きが良くなったらというのは、
具体的には、どんな動きが良くなればいいのでしょうね?
踊りでもスポーツでもされている人は、そこでの動き全般かとは思いますけれど、
日常生活での動きが良くなったらいいなと思われる方もいらっしゃいますよね。
ただ、どちらにしましても、範囲が広すぎて、
結局何をしたら動きが良くなるのか?曖昧になってしまいますね。
結論的なことを言いますと、
重要な動きは「投げる」「走る」「蹴る」です。
もちろん、まずは「立つ」「歩く」が重要で、けれどこれはあまりに土台過ぎますし、
これまでもずっとお話をしてきていますので、今回はこの次の段階のお話です。
「投げる」「走る」「蹴る」・・・どう思われましたか?
「走る」はなんとなく分かっても、「投げる」「蹴る」は多くの人にとって、
私には関係ないわと思われると思うんですね。
けれど、これが曲者なんです。
まず「投げる」ですけれど、
これは前段階としてパンチ・殴るという動きになりまして、
それは、「押す」につながるんですね。
で、「押す」は掃除機をかけたり、雑巾掛けのようなもの、包丁で切ったりといったもの、本当に日常的な動きで出てくるんです。
要するに、腕を伸ばしながら手先で力を出すといった感じのことは、
どんな人でも毎日何かしらの形でやっているはずで、
その動きの質が良いかどうか? とても重要ということなんです。
その「腕を伸ばしながら手先で力を出す」動作の中でも、
「投げる」という動作はパンチ動作プラス遠心力を使う、
それこそ全身の協調性が重要になってくる動作なんですね。
「投げる」が上手くいけば、おおかたの動作の質が上がるんです。
野球でも大抵、運動神経の一番いい子がピッチャーをやっていますし、
プロ野球で活躍している野手も高校時代はピッチャーだった人は多いですよね。
それに、打つほうも「パンチ・押す」プラス遠心力ですから、結局、「投げる」なんです。
次は「蹴る」ですけれど、これはまぁ、いくらか後回しでもいいのですけど、
言うなれば、「投げる・パンチ・押す」の下半身版です。
なので、大事ということになります。
ところで、多くのことは上半身の動きで何かをしますよね。腕を使うわけですから。
で、その上半身の力を生み出す際に、下半身の力を上手に使えることが重要で、
それは地面を上手く押して反力を使うということです。
速い動きになりますと、地面を押すというよりは、蹴り出すような感じになります。
上手く蹴ることが出来ませんと、どうしても上半身頼りの力任せ的なことになってしまいます。
日常で出てくる動きですと、包丁で切っているときに、
足元が不安定では切りづらいですよね?
というように、
上半身だけの動きに見えても、下半身が重要ということなんです。
その質を上げるのに、「走る」「蹴る」でも特に「蹴る」が重要ということですね。
大雑把なお話だったかもしれませんけれど、
どんな人でも、「投げる」「走る」「蹴る」の質を上げることが、
動きを良くするということになると、
いくらかは伝わったのではないかと思います。
(「走る」の詳しいことは、また機会をあらためて。)
漠然と「動きを良くする」というところから、
具体的に的を絞ることで、動き全体の質が底上げされるんだ、
といったところに目を向けてもらえたらと思います。
(そんなこともあって、最新の『運動センスを一瞬で上げる』では、
野球やサッカーといった分野ではなく、「投げる」「走る」「蹴る」といった動作単位で、
お話をしています。)
『動きの天才になる』が実現できると思います。
新著
●第1章 バネを利かせる! 地面反力
●第2章 敏捷になる! 股関節の抜き
●第3章 腕に螺旋エネルギーを通す!
●第4章 脚に螺旋エネルギーを通す!
●第5章 触れ方の質を上げる!
●第6章 想いを伝える、届ける!
●第7章 日常生活で動きの質を上げる!
次回アートマイム公演 3月27日