ある女性バイオリニストから、
「遠吠えバッハ、大成功!」
との連絡が!?
わけ分からないですよね?
私もよく分かりませんでした(笑)
この方は、全国を飛び回って演奏活動を忙しくされていまして、
そんな中、声のワークに何度か参加下さっているんですね。
声のワークには遠吠えワークが組み込まれていまして、
初期の頃はやっていなかったのですけど、今や、なくてはならないワークなんです。
皆さん、最初は「えっ!?」という感じで尻込みされる方が多いのですけど、
やってみると、難しさはあるものの、誰もがはまってしまいます(笑)
特に声を専門的に学ばれている方ほど、気に入っていただけるようです。
難点は、どこで練習したらいいの?ですね(笑)
さて、この女性バイオリニストの方、とてもいい感じの遠吠えをされるんです(笑)
そして、あるとても大事な演奏会に臨むに当たって、
演奏直前の緊張ほぐしのために、遠吠えしたらいいかもねと、
冗談まじりにアドバイス?していたんです。
(半ば本気といいますか、実のところは、演奏中にやってもらえればとは、思っていたのですが、
慣れないことを、本番中に変に意識させるのは、危険ですからね。
あえてそこには触れずにおきました。)
その結果が、冒頭の「遠吠えバッハ、大成功!」につながるのですが、
どうもお話を聞きましたら、演奏前の緊張ほぐしではなく、
なんと、あえて触れなかった、演奏中に使ってみたそうなんです!?
もしや、演奏中に本当に遠吠え!?
??????
・・・もちろん、本当に吠えたわけではありませんでした(笑)
あくまで、遠吠え感覚を持ってみたと。
よかった〜(笑)
で、そうしましたら、
音がより届くように
なったそうなんです。
さらに、
終盤の疲れが出てくるころが、
全く問題無く乗り切ることができたと。
遠吠え効果の大きさに、ご本人びっくり!
報告を聞く私もびっくり!(笑)
ただ、私がびっくりしたのは、本番中に試したことに対してでありまして、
効果に対してではありません。
内心、「でしょ〜」って、思っていました(笑)
さて、なぜバイオリンの演奏が遠吠え感覚で、良くなるのか?
ひとつ大きなポイントは、空間への意識、空間感覚です。
遠吠えは、その名の通り、遠くまで声が届かなければなりません。
それも、一方向ではなく、全方向に。
この全方向への遠くまでの意識を持つということは、
実は今回の演奏ということにかかわらず、非常に重要なことなんですね。
この空間への意識は、遠吠え経験関係なく、どなたでもある程度は、今すぐ出来る意識です。
全方向への遠くまでの意識を持つと、普段の小さな自分を超えられる感じがしませんか?
もし、分かりづらいようでしたら、逆の状況を考えてみて下さい。
何でもいいのですが、例えば、自分が惨めだと感じてしまうような状況。
そんなときの自分て、すごく小さく固くなって閉じていますでしょ?
それとは全く逆の感じ。
そんな意識のあり方、それだけに意識を向けていられれば、すっと出来ても、
演奏なり何なりをしながらとなりますと、ちょっと難しくなってくる。
疲れがたまりだせば、さらに難しい。
けれど、この意識のあり方を、身体的な状態で導き出せるようにしておけますと、
かなり楽になるんです。
そのひとつのやり方といいますか、きっかけに、遠吠え感覚が使えるということなんですね。
実は、先日のワークショップ『リラックスとエネルギー』でも、この遠吠え感覚は重要なものとして、
みなさんにやっていただきました。
意識と身体をつなげるというのは、意外に難しい。
どうしても意識先行で、その気になっているだけとなりやすい。
そこで、身体的感覚に落とし込めるようなワークを開発・提供し続けているんです。
それにしましても、このバイオリニストの女性は、すぐに本番で実践できるなんて、さすがですね。
そして何より、声のワークを声を出すことではないところで、活かそうと思える感性が素晴らしい。
もちろん、私自身がそういう立ち位置で、声のワークをやっていて、みなさんにも伝えてはいますが、
それでも、本当にそれを自分のこととして、捉え実践するというのは、
やはりその人の感性だと思います。
今でも、十分に活躍されていますけど、さらに素敵な演奏、楽しみです。
6月2日 『リラックスとエネルギー』
(発声・響声・響音と身体表現の関係から探る)
6月12日 『動作塾』(6月のテーマ「ピッチング・サーブ」)
6月30日 『動作塾 特別講座』
(刀の扱いから、身体の使い方とエネルギーの伝わり方を学ぶ)
7月17日
7月21日
7月3日 『声(音)を身体に響かせる〜自分の内を外へ広げる』
8月7日 (ホールにて)
Body,Mind&Spirit
本当の自分の身体は天才だ!