身体の使い方を教える・学ぶという時、
その目的がどこにあるのかは、
大きな影響があると思うんです。
例えば、武術系の場合、強さが目的というのが
一般的なのかもしれませんけど、
人間力を磨くとか、生きやすくなるためかもしれませんし、
ただ、不思議な技が楽しいということもありますよね。
ボディワーク系の場合は、どうでしょう？
より健康に？それとも、悪いところを治す？
音楽・スポーツのパフォーマンスアップ？
心の平安？
いろいろだと思います。
いずれにしましても、教える立場ですと、
目的によって、教え方は自然と変わるのだと思うんです。
丁寧に手取り足取り教えるのか？
見守るように教えるのか？
しごくのか？
先日、その教え方に関して、
生徒さんからこんな話が。
ある人の教え方は、
空から吊るされたロープがあって、
掴めれば上がれる。
でもロープまで、ちょっと距離があって、ジャンプしないといけない。
ロープ、ここにありますよって導きながら、
そこにジャンプするのを見守っている感じだと。
そして、ロープからゴール？までの距離は短め。
一方、私の教え方は、
地面から伸びている梯子で、
ジャンプせずとも、一段一段しっかり足をかけて上がっていける。
けれど、ゴール？までの距離はちょっと長い？
（ロープの場合、ジャンプするところを、
地面から一歩一歩、歩むから、その分長いのは当たり前？）
素晴らしい喩えですね。
では、私はなぜ、このような教え方をするのか？
それが、今回のお話、冒頭につながるのですが、
ひと言で言いますと
「こういった身体の使い方は、
出来ているのが当たり前である必要があるから」
なんです。
なんだか、こういう言い方をしますと、
恐れられるか？生意気と思われるか？
不遜な感じがするかもしれませんけれど、
実のところ、踊りなどの身体表現系は、
同じだと思うんですね。
と言いますのは、
表現が重要。
つまり、ストレッチや筋トレではない
良い身体の使い方を教える目的は、
高い表現力を発揮して欲しいからなんですね。
さらに言いますと、
その表現力をベースにした
作品の発想・構成力の向上に
一刻も早く取り組んで欲しいからなんです。
身体の使い方を良くすることで、
健康になったり、強くなったり、
ものの感じ方が変わったりということは
当たり前にあるんです。
それらがあって、初めて
私の考える表現に向き合えるわけですから。
ただ、目的ではない。
ベースなんですね。
自転車に乗れるまでに、時間をかけるのではなく、
さっさと乗れるようになって、
曲乗りの探求に目を向けて欲しいという感じでしょうか？
とはいえ、一般的に表現系のレッスンでは、
そのベースに時間を割けないんですよね。
もっと直接、表現に関わるものを教える必要がありますから。
もし踊りを習いに行って、レッスン時間の8割が身体の使い方で、
しかも、それが、分かる人にしか分からないような指導だったら、
あるいは、その身体の使い方が表現とどう結びつくのか
分からないものだったら、
どうですか？
人生2回分
は必要になってしまいますでしょ？
ですから、大抵は身体の使い方には、ほぼ目をくれずに、
直接、表現に関わるもののレッスンになるわけです。
そういう意味では、
私のところの表現レッスンは
人生1.5回分必要な感じでしょうか？（笑）
ちなみに、私のところでは
表現とは無縁の、純粋な身体の使い方だけのクラスもあります。
けれど、やはり梯子をかけるスタイルです。
早く先に行って欲しいんです。
先では、
どうしたって梯子をかけれられない世界が
待っているんです。
読み書きはさっさと出来るようにして、
どんなものを読み、書くのか？
の世界に行った方がいいということですね。
今の自分に合うところで学べるといいですね。
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舞台表現、フィギュアスケートといった方たちにも、
ぜひ読んでいただきたいと思っています。
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