身体の使い方を指導する中で、何が難しいかといえば、
目には見えない内側の動きを、生み出せるようになってもらうこと。
しかも、この難しさは、そもそも
内側の動きって何?
と、多くの方にとっては、未知のものということがあるんですね。
ひと頃、インナーマッスルという言葉が流行りましたけれど、
やはり、よく分からなかったんだと思います。
今はずっと体幹ばかりですものね。
目に見えるところでないと、難しいんですよね。
さて、内側の動きですけれど、インナーマッスルももちろん関係しますけれど、
そんな単純な話ではないんです。
著書の中でも書いてきていますけれど、
外側の動きが始まる前に、内側の動きが始まっている必要がありまして、
たとえて言うならば、身体の中心に小さなもう一人の自分がいて、
その自分が動くことで、実際の自分が動かされるように動く。
といった感じでしょうか。
身体を一つにまとめ、まとまったまま動く。
そんな言い方も出来ます。
とはいえ、やはり分からないですよね。
内側の動きは、本人が味わう他なく、
それは痛みと同じで、痛みはどんな痛みでどれくらいの痛さかは
本人以外は分からない。
他人の痛みは自分の過去の経験と照らしわせて想像するしかありませんものね。
想像するしか・・・想像・・・
そうなんです、想像が大事!
内側の動きが外の動きを作る・・・
水風船を揺らしますと、風船は形を変化させますよね?
その形の変化は、風船のゴム自体が自ら変化しているわけではなく、
中の水の圧力によって、動かされての変化ですよね?
そんなイメージは比較的簡単かと思います。
けれど、水風船の場合、揺らすのは外からの力なので、
ここで、水風船の内側、水の中の真ん中にモーターみたいなものが浮いていると
想像してみて下さい。
そのモーターのスイッチを入れると、水が動き、水風船自体が動き出す。
現実にそんなことが出来るかどうかではなく、
あくまでイメージですけれど、
このモーターの存在を自分の中に作る感じ。
そして、モーターのスイッチは自分の意思。
モーターのスイッチを入れ、水の動きが風船のゴムに伝わり、
その水の圧力でゴムが動く。
そんな感じで、自分の身体の動きを生み出す。
どうでしょう?
いくらかでも、内側の動きが外側の動きを生み出すということ、
身体感覚としてのイメージになってきていたならと思います。
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