オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

音楽の豊かさ。 「間(ま)」の豊かさ。

歌は語るように

語り(セリフ)は歌うように

 

聞いたことありますか?

 

 

踊りとマイムの違いは、歌と語りの違いに似ています。

 

 

多くの人にとって、マイムより踊りへの関心が高いと思うんですけど、バレエ、日本舞踊はもちろん、フラやベリーダンスなども、演じるという面が大きいので、アートマイムという身体演技と踊りの違いに関する今回のお話は、面白いのではないかと思っています。

 

ちなみに、昔、ローザンヌ・バレエ・コンクールで受賞した日本人が海外のバレエ団に留学したところ、マイムのレッスンばかりで辟易したという話を聞いたことがあります。

 

 

ということで・・・

 

歌は語るように歌ったほうが良かったりするし、

語りは歌うように語ったほうが良かったりする。

 

けれど、歌は歌、語りは語りである必要がある。

 

では、その違いはどこにあるか?といえば、テンポあるいは、変化のリズムの違いだと思うのです。

そしてもう一つは、エネルギーの出どころの違い

 

 

歌や踊りは、自分の外にある音楽のエネルギーに乗っていこうとする。

 

語りやマイムは、自分の中にあるエネルギーを外に流していく。

 

(であるがために、歌や踊りではテンポ・リズムやムーブメントが強調され、中・内面を表さなくても済み、表すのが難しい。)

 

 

アートマイムを学ぶ人の中には踊りをやっていた・やっている人が一定数いる・いたんですね。

で、そういう人たちは共通して、踊り的な動きになってしまいまして、

「踊らないように」といった注意をすることがあるんです。

 

もちろん、本人たちは踊っているつもりはなく、演じようとはしているのですけど、どうしても踊りに見えてしまうのです。

 

それが、「歌や踊りではテンポ・リズムやムーブメントが強調され、中・内面を表さなくても済み、表すのが難しい。」という世界にいたということでもあるのですけど、動きのリズムが自分の中・内面から生まれたものではないがために、さらに、動き方も不自然にキレイになってしまい、どうしても踊りに見えてしまうのです。

 

簡単に言ってしまいますと、身体で演じることが難しい。動き・ムーブメントになってしまうということですね。

 

 

けれど、だからといって、アートマイムでは自分の中・内面を出せば良いわけでもないんです。

芝居の世界では、しばしば「もっと気持ちを込めて」といった指導がなされるのですけど、基本、アートマイムではそのような指導はありません。

 

(私自身、そういった指導をされるのが苦手であり、それが故に、「エモーショナル・ボデイワーク」を生み出せたのです。)

 

 

語りやマイムは、自分の中にあるエネルギーを外に流していくと言っていたのに、どういうこと?と思われると思うんですけど、この辺りのことをひと言で説明するのは難しい。

ただ、ひとつこのお話が理解を助けてくれると思います。

 

あるバレエの先生(後日あらためて紹介します!)が振り付けたコンテンポラリーダンスを、その生徒さんが踊ったんですけど、他の先生たちがそれぞれご自分の生徒さんたちに振り付け踊ったいくつかのダンスと比べて、全く質の違うものだったんですね。

 

何が違ったか?

 

他の先生たちのものは、ダンサーが気持ちを込めるタイプ、あるいはただ踊るというものだったのですけど、その質の違った踊りは、ダンサーの中・内面にあるエネルギーが外に流れてくるようなものだったんです。

 

つまり、語りやマイムに近かったということでして、言い換えれば、語るように歌うタイプの踊りだったということなんです。

 

(ここでいう「語る」というものが、気持ちを込めて語るというものではないことは、お分かりいただけると思いますけれど、誤解を少なくするように言い換えますと、語るように歌うタイプの踊りというよりも、語っているかのよう感じさせる歌い方をしているタイプの踊り、です。)

 

 

 

で、ここが大事なのですが、どんなにその踊りがマイムに近かったといいましても、決してマイムではない。マイムにはなり得ないということ。(当然、マイムにしたいとも思っていないわけですが。)

 

歌がどれほど語りのようであっても、歌は歌。語りにはなり得ないし、なってはいけないわけです。

 

やはり、踊りも歌も、音楽のエネルギーに乗っていることが大前提。

 

その大前提の中で、語っているかのようであるか?が大切ということですね。

 

 

一方、アートマイムのほうでは、自分の中・内面にあるエネルギーを外に流していくことが大前提でありながら、音楽だとは感じさせない音楽性が大切になるということになります。それは、「間(ま)」の豊かさなどによって生まれるのだろうと思います。

 

ちなみに、私が16年ほど学んでいた日本舞踊では、混在している感じです。

音楽のエネルギーに乗っていることが大事な場面と、自分の中・内面にあるエネルギーを外に流していく場面と。

師匠はお弟子さんたちに「踊るな。」とは、よく言っていましたけれど、踊りが好きで学んでいる人には、後者の自分の中・内面にあるエネルギーを外に流していくことと、「間(ま)」のコントロールが難しいのでしょう。

 

 

まとめに入ってしまいますが、踊りとアートマイム、どちらも言葉を使わない身体表現ですけれど、歌と語りのような違いがありながらも、歌は語るように語りは歌うようにという考え方なれば、似ているところもあるわけです。

 

歌・踊りと、語り・マイムとの違いは、テンポあるいは、変化のリズムの違いでもあると、はじめに言いましたけれど、

 

歌や踊りは、音楽の豊かさ。

語りやマイムは、「間(ま)」の豊かさ。

 

ではないでしょうか。

 

 

踊りで表現するのか?マイムで表現するのか?

踊りをしている人の中には、実はアートマイムのほうが向いている人もいるかもしれませんね。

 

 

 

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