構造はテンセグリティ
エネルギーはトーラス
身体の使い方を研究していく中で、もうずいぶん前ですけれど、
テンセグリティ構造に出会い、なるほどと思っていたんですね。
もともと、アートマイムには”カウンターエネルギー”という大事なキーワードがありまして、
テンセグリティ構造というものに出会ったとき、
理屈よりも身体での実感としてパッと入ってきたんです。
私たちは研究者ではなく実践者ですから、身体で分からなければ意味がないわけですけど、
テンセグリティ構造をいくら勉強したからといって、それを活かした身体・動きになれるか？
といえば、まぁ、無理だろうと思うんですね。
のロルフィング施術者（ロルファーと呼ばれます）の方が生徒さんでいるんですけど、
このクラス生の場合は、テンセグリティの理屈が自分の身体で分かることを
楽しんで（勉強して？）くれています。
本当に自分の身体で分かるというのは、それなりの身体の使い方をしていく必要があるんです。
理屈を知ってることと、実践出来ることとは、全く異なるということですね。
ところで、運動面からだけ考えれば人体構造としてテンセグリティの考えは
非常に有用なんですけれど、
私は表現者であり、それも身体運動表現ではなく身体表現ですから、
エネルギーというものについて、いつも思いを巡らせているんですね。
そこで、”メビウスの輪の呼吸”という方法で、
循環エネルギーの生み出し方、使い方を伝えているのですが、
あるとき目にしたエネルギーフィールドの図が、
まさに”メビウスの輪の呼吸”で扱うエネルギーの流れそのものだったんです！
驚きましたよ。
それが、
”トーラス体”。
以前に宇宙の構造についてメビウスの輪にたとえてお話したことがありますけれど、
それがトーラスだったようなんです。
（いやぁ、トーラスというのを知っていれば、
”メビウスの輪の呼吸”ではなく、”トーラス呼吸”にしていたかもしれませんね。。。）
このトーラスエネルギーの流れやトーラス体をどれだけ大きくしていけるか？
ということに意識を向けてメビウスの輪の呼吸をしたり、表現できるといいんですよね。
でさらに、ここで大事なことは、
自分の体の外側にだけトーラスを考えるのではなく、
自分の体そのものがトーラスであることにも意識を向けて欲しいんです。
体が内側からひっくり返る感じですね。
（あんまり具体的な図をイメージしますと、なんともグロテスクですが 笑）
まぁ、グロテスクなことはともかく、実際にそういう実感を持てるようになってきます。
また、そうでありませんと、
ただの頭の中でイメージしながらの運動になってしまい、
トーラスを生み出せている感覚にはなりません。
それともうひとつ。
これはある意味、
自分の内面と外の空間とがつながっている
ということなんです。
内は外であり、外は内である。
つまり、
自分という確かな存在があるわけではなく、
自分はパイプである。エネルギーの通り道である。
自分の内面が自分の中にあると思ってしまいますと、そこで表現が閉じてしまうんですね。
そういった表現は、表面的というのではなく、
自己主張・自己陶酔の強い感じになってしまうんです。
そしてそれは、力みにもつながります。
自分の内面が自分の中にあると思い、そこを掴もうとすることは、
パイプではなくなる、エネルギーの通り道をふさいでしまうことで、
肉体的にはギュッとしなければならなくなってしまうんです。
（ケンカのような争いというのは、自分の中を掴んで離そうとしないから起きるのでしょうね。
ギュッの力が強ければ強いほど、衝突の力も大きいですものね。）
さて今回、”テンセグリティ”と”トーラス”を別物として取り上げましたけれど、
私の実感では、全く切り離せるものではありません。
テンセグリティが活かせれば活かせるようになるほど、トーラスもしっかりしてくるでしょうし、
トーラスをしっかりさせられるようになってきていれば、
それはテンセグリティが活かせてきているのではないかと思います。
それはテンセグリティ構造が、内と外の境が曖昧なせいかもしれません。
いずれにしましても、
観念的になりすぎず、テンセグリティもトーラスも実感できるようにしていきたいですね。
Body,Mind&Spirit 本当の自分の身体は天才だ！
