「大きく動け」
とは、よく言われますね。
これは
言う側も、言われる側も、
大抵は、
実際の動きの幅、
実寸での大きさのことで
考えていると思います。
けれど、言う側は
潜在的には
エネルギーの大きさを要求している。
そんなことが多いのではないでしょうか?
先日、トーラス呼吸のワークショップを
屋外版として、公園で開催しました。
普段のクラスに通い続けている男性、
初めて屋外でやってみたら、
目一杯、大きく動いても、
「目の前に広がる空間の大きさに、
体の大きさ(動き)が追いつかない。。。」
それは、そうですよね。
体の実寸には限界がありますものね。
で、その後、ワークを進め、
最後に、とても小さな動きで
トーラス呼吸をしてもらったんです。
空間と自分の体の大きさの関係、
どうなったでしょうか?
「どうだった?」
「大丈夫でした。」
「自分が小さいとは感じませんでした。」
不思議ですよね。
目一杯、大きく動いていたときは
自分が小さいと感じ、
小さく動いているにもかかわらず、
十分と感じる。
どうしてか?
これが、エネルギーなんです。
全身にエネルギーが満ちて
滞りなく動けていますと、
実寸での動きの大きさは小さくても
大きな動きになるんです。
この男性、最初は、
実寸での大きさを気にするあまり、
エネルギーが途切れていることに
気がつかず動いていたので、
それが「動きが追いつかない」という
認識になっていたんです。
舞台上で、動く際、
特に演技の場合、
エネルギーが足りていない動きを、
実寸の動きの大きさでカバーしますと、
それは、カバーにはならず、
酷な言い方をしますと
“空回り”
になってしまいます。
声で考えると、分かりやすいですね。
通る声ではない声を、
大きく張り上げる感じですね。
声は、通る通らない、圧の大小に関して
分かりやすく、きちんと指導できる人も多いですけど、
動き…特に演技に関しては、
そうはいかないようです。
本当の意味での
「大きく動く」
目を向けたいですね。