「動きの解体新書」 第2回「立つとは浮きつつ垂れること」
※これに伴うワークショップ「きちんと立てれば、上手くいく」を
10月13日に開催いたします。下記参照下さい。 |
アートマイム/オーガニックマイムでは、
を、極めて重要視しています。
本来、舞台に立つ者は
だれにとっても重要なことです。
“経験する”
いいかえますと
“今、ここにいる”
ということになります。
けれど、ここで
注意が必要なんです。
「今、ここにいる」という言い方ですと、
気持ちの問題のように見えます。
そうではない。
なぜ「エクスペリエンス」…
「経験する」なのか?
経験するには身体は欠かせません。
ですから、
気持ちの問題ではなく、
身体の問題なんです。
「今、ここにいる」という言葉に
高揚感を覚える人は多いようですけれど、
身体が置き去りになっています。
「今、ここにいる」といいますと、
巷で流行っている(?)
「マインドフルネス」
がありますね。
これは元々、「サティ(気づく)」という瞑想です。
まさに
「今、ここにいる」ということを
身体から受け取る訓練なんですね。
で、身体ですけれど、
ひと言で、身体といいましても
どれだけの部位があるでしょう?
単純に腕や脚、頭と分けても、
それなりの数になりますし、
細胞の数では60兆個といわれますよね。
しかも、それらは停止状態ではなく、
常に変化し続けています。
それらを、どれだけ
気づき続けられるか?
元のマイムの話に戻しますと、
「気づけている」=「コントロールできている」
ということになります。
逆にいいますと、
「コントロールできていない」=「気づけていない」
それは、すなわち
「今、ここにいない」
ということなんです。
身体の一部分であっても、
コントロールできていないところがあれば、
そこは、「今、ここにいない」わけです。
ちなみに、
「コントロールできている」とは
「表現すべき内容に、貢献している」
ということです。
ですから、いくら気持ちが、
「今、ここにいる」と思っていても、
身体の一部分でも、
表現すべき内容に、貢献していなければ、
それは、
「エクスペリエンス」が足りていないのです。
全身で「エクスペリエンス」し続けることが
アートマイム/オーガニックマイムをするということ。
全身、手先から足先、呼吸まで全て余すところなく
表現すべき内容に、貢献し続けるということ。
当たり前といえば、当たり前ですが、
当たり前が出来るかどうかは、
全く別問題。
だからこそ、稽古を積むのです。
そうして、初めて
「エクスペリエンス」を
体感することができるようになるのです。