「変性意識」
という言葉を聞いたことがありますか？
トランス状態という言葉ですと、
馴染みがあるかもしれませんね。
ただ、トランス状態といいますと、
何だか負のイメージかと。
良い意味でいいますと、
フロー状態、ゾーンに入っている状態です。
ところで、
表現系クラスでは、
この変性意識状態になる練習を、
取り入れているんですね。
（そういった言い方はしませんが）
といいますのも、
以前に
「アートマイム／オーガニックマイムは、
ゾーンに入っていることが前提。」
というお話をしました。
覚えてらっしゃいますか？
これは、言い方を変えますと、
「アートマイム／オーガニックマイムは
変性意識状態でなければ、成立しない。」
ということになります。
ですから、
身体が動くとか、
特有の技術が身につくとか
演技力が上がるとか、
そういったことはもちろん必要なのですが、
変性意識状態になれなければ、
いわば
「画竜点睛を欠く」
といったことで、
アートマイム／オーガニックマイムとしては
意味を成さないんですね。
ところが、
この変性意識の練習をしますと、
戸惑う人が現れます。
難しいということではなく、
「自分、大丈夫？」
「現実世界のほうが嘘に感じてしまう…」
「現実感の無い世界にリアリティーを感じてしまう…」
といったものです。
なんだか、これだけ聞くと、
「そんな練習して、平気なの？！！」
と思われるかもしれませんね。
私のところでは、
下丹田の強化と並行して取り組んでいるので、
全く問題はないのですが、
下手に手を出すのは、危険だとは思います。
さて、その変性意識状態に対する戸惑いですけれど、
そもそも、変性意識とはどういった状態なのか？
トランス状態とか、フロー状態、ゾーン、
と言われても、今ひとつピンとこないと思います。
脳機能学者として数多くの著書を持つ
苫米地英人氏が、こんな定義をしていまして、
なんて、分かりやすいんだ！と思いました。
『臨場感が物理的現実世界ではなく、
仮想世界にある状態』
まさに、戸惑いを覚える人の、
その戸惑いの理由そのものですよね。
そして、やはり
危なそうな…（笑）
ですから、
アートマイム／オーガニックマイムで
重要なことは、
この状態で、
「もう一度、物理的現実世界に立つ」
ことなんですね。
そのキーを握っているのは
表現一つ一つを、
自分の思い込みだけで行なわないこと。
観客の目・感覚との擦り合わせの上に
成立させることなのです。
実は、
表現の場にかかわらず、
スポーツや武術でも、
ずぬけた人の言うことは、
この変性意識状態が前提になっているんですね。
ですから、いつも言いますように、
そのまま受け取っても意味がないんです。
ということは、逆に、
変性意識に入れるようにすることは、
分野に関係なく、
一線を画すようなことをしたい人には、
重要ということになります。
それどころか、
人生を翻弄されずに生きる上でも、
重要な取り組みだと思うのです。
「臨場感が物理的現実世界にしかない」
というのは、
世界を俯瞰できないということですから。
それを人によっては「人間的」と言ったりしますけど…
人生はそれぞれですが、
変性意識に興味のある方は、
近々開催されるワークショップ
【視野と瞑想と身体】
がオススメです。（下記）
