大人になると、子供の心を失ってしまう・・・
そこで、「子供のような心を取り戻しましょう」と言われます。
もちろん、はしゃぐことではありませんよね（笑）
それは、簡単には好奇心旺盛でいましょうということだと思うんですけど、
できるだけ多くのことに対して、
開かれた状態
ということが、キーなのでは？と思うんです。
ところで、アートマイム、オーガニックマイムでは、ゾーンに入っていることが前提、
少なくとも、
ゾーンに入れる状態
には、瞬時にいつでもなれる必要がある
というお話を、以前に何度かしました。
この状態をクラスで稽古した時に、面白い感想が上がったんです。
稽古は、プロフェッショナルクラスや自己整体真呼吸クラスで、
あるいは身体瞑想ワークショップで、これまでに時々行なっているのですが、
ある男性は
「これ、子供の頃に味わった感覚。」
「でも、恐い感じがして、封印していた。」
別の時に、別の男性は
「懐かしい感じがします。」
私自身は、残念ながらこのような実感を持ったことはないのですけど、
示唆に富んでいるように思いませんか？
このゾーンに入れる状態といいますのは、
身体をある種の状態にすることで、意識状態に変化をもたらすものなのですが、
子供のような心を取り戻すということが、意識単体の問題というよりも、
身体の状態と相まったある種の意識状態なのではないか？と。
そして、この状態を、ある女性は
「すごく静かな感じです。」
「どこまでも広がっている感じがします。」
あるいは
「ものが、くっきりと立体的に存在感を表します。」
また
「自分という存在を感じます。」
「自分が無いように感じます。」
という、一見、矛盾した感想も聞かれます。
しかしながら、これは味わえば分かりますが、どちらも成立してしまうんです。
面白いですよね。
前回の記事で顔のことをお話しましたけれど、
生後間もない赤ちゃんの顔や能面と、この状態のときの表情はよく似ています。
あらゆるものを飲み込んだ、あるいは何も無い表情、宇宙の深淵を感じさせる表情ですね。
そんな表情になってしまっていることも、興味深い。
ところで、最初の男性はこんなことも言っていました。
「この状態に、意識的になれるなんて、驚き。」
一般的には、この状態に入る術を持ちませんので、
抽象的な集中力や状況といったものに頼らざるを得ず、
だからこそ、
ごく一部の天才的な人だけが到達できる次元だと思われたり、
一瞬でもそれを味わえればという、
始めから半ば諦めた上での集中力を高めることへの頑張りになってしまっているように思います。
けれど、意識的にいつでも入れるんです。
ですから、技術。
逆にいいますと、アートマイム、オーガニックマイム習得には、
技術化できる必要があるということなんです。
私たちのマイムの技術とは、いわゆる目に見えるマイムらしい技術だけではなく、
こういった技術に支えられているんですね。
表現分野にかかわらず、あるいは表現活動をしていない人も、
「子供のような心を取り戻す」ということを、
このようにとらえると、何か変わってくるように思います。
最後に・・・この状態では、みんなこう言います。
「見るものが、すべて初めて見るような、新鮮さを覚えます。」
これこそ、子供ではないでしょうか？
２月２８日 『原始歩き同好会』
Body,Mind&Spirit
本当の自分の身体は天才だ！
