演技・身体表現でもスポーツでも、上達にはこんな４段階があるように思います。
・第１段階 「偶然」
・第２段階 「認識」
・第３段階 「再現」
・第４段階 「理論」
最初の第１段階としましては、
偶然、あるいは千本ノックのようなことや、
幾度と繰り返される演技へのダメだしなどの結果、
良い結果が得られることがある、そんな段階。
この段階では、なぜ上手くいっているのか？自分ではよく分からない。
なので、その１回限りであったり、長続きしない。
良い悪いが、結果でしか判断できない。
次の第２段階は、上手くいっている時の自分の状態を、認識できる。
再現度は高くなくても、自分の状態への判断と、結果が結びついている。
ただし、浮き沈みの波が大きかったり、調子の悪い際には、どうしらいいのかは分からず、
長引く可能性も。
３番目の段階は、上手くいくための状態を、意識的に再現できる。
再現度が極めて高くなる。
基本的には、いつでも良い結果が得られるが、スランプになった場合への対応力はまだ弱い。
最後の段階は、上手くいくための状態を、理論的に解釈できている。他人への説明が可能。
スランプには極めてなりづらいが、なったとしても脱出が早い。
スポーツなど相手のいる競技では、結果の良し悪しと、自分の状態の良し悪しを分けて判断できる。
違う技術への対応力（応用力）が高い。
１段階目の経験だけで、２段階目の認識できるようにとしていきませんと、
自分の本来持っている力を発揮するのに、
外部環境や他者からの強制的な力に頼らざるを得ない。
精神論といいますか、気持ちでなんとかしよう、なんとかなると思ってしまいがち。
もちろん、それで上手くいくことはあります。
２段階目に行くには、元々のセンスもあるのでしょうけど、
自分との向き合い方を覚えていくという、ある種の訓練（内観）が必要で、
それは３段階目に行くための訓練になると私は考えます。
この第２段階では、過去の良い状態と今の状態を照らし合わせることが出来るものの、
どうしたら良い状態になれるかは毎回手探り状態。
いわゆるアマチュアの段階。
３段階目の再現性の高い状態に行くためには、
２段階目の訓練、内観力の高さが鍵になります。
但し、生来のセンスの良い人は、意識的な内観は少なくても、
感覚的な内観力が高いのだと思いますので、
下手に意識的に内観をしますと、調子を落とすことも考えられます。
ところで、この内観力というのがクセものでして、外から強制して出来るものではない。
スパルタは何の力にもならないんですね。
本人の意思と意志次第。
向き不向きもあると思いますけれど、
第１段階での”がむしゃら系”本気度とは異なる、”冷静系”本気度にかかわってきます。
そして最後の段階、４段階目は、変なこだわりがなく、他の分野からも積極的に学び取ったり、
常識を疑うことの出来るセンスが必要です。
稽古方法が、他人からは理解されないことも多いでしょう。
この段階では、本人は理論的に自分のしていることを解釈している一方、
その理論がまるっきり違うものに変わって（変えて）しまうことにも、躊躇がないはずです。
なぜなら、他人から与えられた理論ではなく、自分で生み出した理論であり、
それは、理論のための理論ではなく、結果を求めるための理論だからです。
ちなみに、３段階目でも理論を感じると思いますが、
それは再現のためのスイッチを知っているという程度で、
解釈と呼べるほどのものではありません。
ですから、汎用性も応用力も低い。
第１段階「偶然」・・・
自分の頑張りに酔っているだけになりやすいと思いますが、この段階での情熱は大事だと思います。
第２段階「認識」
第３段階「再現」・・・
ここでの練習の質をどれくらい上げられるか？どれくらい感覚を高められるか？
他人の助けを多く必要とするところから、徐々に少なくなるといいと思います。
第４段階「理論」・・・
当然ですが、他人の理論を鵜呑みにすることではありません。
第一段階的な、理論と無関係に突き進む力を忘れないことも必要だと思います。
こんな風に考えてみると、何か見えてくるものがあるかもしれません。
Body,Mind&Spirit 本当の自分の身体は天才だ！
