形は結果として生まれるもの。
では、何の結果か?
それは、エネルギー。
では、エネルギーとは何か?
それは・・・
ということで、エネルギーのお話ですけれど、
エネルギーを「気」のようなものや「イメージ」のように、
目に見えない概念にしてしまいますと、
形に結びつかなくなってしまいます。
エネルギーとは、部分的な筋力に依らない力である。
という解釈を第一にもってくるのが、いいと思います。
もちろん、あくまで第一で、これだけで足りるわけではありません。
体を楽器としますと、
そこから発せられる音がイコール、エネルギーなんです。
楽器の構造に歪みがあったり、材質に問題があったりしますと、当然、音に問題が生じますよね?
同様に、体を部分的に使いますと、エネルギーは満足いくものにはならない。そんな感じですね。
そして、大事なことなんですけど、
楽器の音を鳴らし続けるには、
弦の振動や吹き込む息などが続いてくれないといけませんでしょ?
つまり、エネルギーが部分的な筋力に依らない力といいましても、
止まってしまってはエネルギーもなくなってしまいますから、
力を流し(注ぎ込み)続ける必要があるんです。
そうしますと、見た目には動きを止めて、ポーズをとっているときでも、
力を流し(注ぎ込み)続けていませんと、エネルギーがなくなり、
死んだポーズになってしまうんですね。
この死んだポーズが、
いわゆる「形だけ」「ジェスチャー」という状態です。
少したとえが、抽象的でしょうか?
次は、スポーツでたとえてみますね。
テニスのサーブなどの瞬間を撮った写真を見て、
ラケット側ではない手、なんでこんな形してるんだろう?
って思ったことありませんか?
あれ、サーブに力を込めるのと無関係な形だと思います?
そんなわけありませんよね。
必要な形、位置、向き、角度のはず。
もし、タイミングも含めて、少しでもそれらを変えますと、
ボールに注がれるエネルギーも変わってくるであろうことは、
想像に難くないですよね?
といって、見た目を同じ形にしたところで、同じエネルギーを生み出せるわけではない。
それもお分かりいただけると思うんです。
あくまで、エネルギーの結果の形です。
もちろん、形は参考になります。
・・・そう、参考になるんです。同じようなエネルギーを生み出すのに。
これが、形を学ぶ意味ですね。
けれど、あくまで参考。
最終的には、
形に意味を持たせるのではなく、
エネルギーのためだけに形が生じるようにしたい。
アートマイム、オーガニックマイムには形がありません。といって、全くの自由かといいますと、そうではありません。
それは、今回のお話、エネルギーが重要だからなんですね。
形と無関係にエネルギーは存在しない。
けれど、形が重要なのではなく、
エネルギーのために形が存在する。
ですから、本当にはエネルギーのないサーブの形だけを学んでもしかたありませんよね。
それはサーブっぽいだけ。
見た目だけ立派な楽器で、音が貧弱では意味がないですよね。
けれど、良い音が鳴る楽器であるのに、見た目が貧弱なんてこともあり得ませんよね。
これらのことは、感情などの内面のエネルギーでも同じです。
寂しいとき、喜んでいるとき・・・それぞれのエネルギーに沿った形というものが、存在します。
ジェスチャーでそれっぽく表せるのは、そのため。
けれど、真のエネルギーが流れていない形は、死んだ形。ジェスチャー。
一方、単純な肉体的なエネルギーと違い、感情の場合、
エネルギーに沿った形を本当に掴めていれば、
(一見、矛盾した話に思えるかもしれませんけれど)
どんな形でもその感情を表せるようになりますし、そうなる必要があります。
本当の形を身につけて欲しいと思います。
4月16日 『声(音)を体に響かせる〜身体感覚を磨く 第4回』
Body,Mind&Spirit 本当の自分の身体は天才だ!