オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

その言葉の真実は?

心と身体の一致の重要性。


丹田の重要性。



それは私たちのマイムでは肝なわけですけれど、
正直、それは他のマイムでも、舞台表現の

どんなものでも、同じ言葉を

聞くと思うんです。



ですから、分った気になりやすかったり、「ああ、それね。」となってしまうかもしれないなぁと、
私はいつも危惧しているんですね。





以前、お話したことがありますが、公演の際の公開レッスンをご覧下さった、別のマイムの方、
知り合いではあるんですけど、



「(心と身体の一致ということを、まるで、
あなたのマイム(アートマイム、オーガニックマイム)
だけの特別のような感じで、言っていましたけれど、)
私の先生も同じことを言っていますよ。」と。



括弧書きのところは、直接そのような言い方をされたわけではないのですが、
前後の話から要約すると、そんな話だったんです。




また、私の師であるテリーさんに習っていた人や、その人に学んだ人は、
当然、「丹田から動く」ことの重要性を知っています。


ですから、もし私のレッスンで丹田という言葉を聞いても、特別なこととは思わず、
同じことを言っていると捉えてしまうと思うんですね。




そうしますと、冒頭の別のマイムの方も、テリーさん系統のマイムの人たちも、
私の伝えているマイムも、全部同じマイムということになってしまいます。




本当でしょうか?




これは、マイムという狭い世界でのお話ではありませんで、
舞台表現全般にかかわることだと思うんですけど、
「心と身体の一致」「丹田」他何でも、
同じ言葉を使っているからといって、同じ内容ではないということに、思いが至りませんと、
とんでもないことになります。




で、ここはですね、指導者が分かっていない、出来ていないのは、
生徒としてはどうしようもないわけですから、

生徒がそこを見極める、

つまり自分の先生がどの程度の理解で、それらの言葉を使っているのかを
見極める必要があると思うんです。




特に、身体表現の場合、先生が見せる見本が全てといってもいいくらいですから、
どんな言葉で語ろうと、どう実現、体現しているかが極めて重要ですよね。





冒頭でお話しました、別のマイムの先生のところで学ばれていた人で、

私の伝えているマイムに興味を持ってくれたときに、


「うちの先生は、こういうマイムをしたかったんだと思いました。」と。



なんだか、こんなお話をしていますと、自慢話のようになりかねないのですけど、
大事なのは言葉ではないということなんです。




言葉は強い力を持っています。


身体を置き去りにした言葉のやり取りは、脳を満足させてくれるんですね。


言葉に酔ってしまうんです。





以前、私が舞踏のワークショップを受けた際、参加者のある女性が、


「言葉に刺激される。」と。



その女性は、全く身体のほうには反映できていませんでしたが、
きっと、そこへの問題意識はないのでしょう。




また、私のところでマイムを学びつつ、舞踏にも傾倒していた人が、舞踏稽古の参加者に対して、


「言葉で、その気になっているだけで、自分の身体を視ていない人が多い。」と。





こういった言葉の魔力に足を引っ張られないことは、本当に、本当に重要なことです。


では、どうしたら足を引っ張られないでいられるのか?


それは・・・




大抵の人は、聞いた言葉を実践しようとしてしまうと思うんです。


心と身体を一致させよう。丹田から動こう・・・



もちろん、間違いではありません。
けれど、そういう気持ちを持てば実現できると思っているところに、問題があるんです。

ですから、より良く出来るようにと、もっと強く思わなければ、
あるいは集中力がまだ足りないのか、となってしまう。





結論を端的に言ってしまいますと、自分でその言葉を発見する必要があるんです。


・・・自分でその言葉を発見する???




その言葉を知らなかったとして、けれど、自分でその状態に気がつけた、
となるように稽古をしていくんです。



「あっ、これ、心と身体が一致しているんじゃない?」


「おっ、何これ、、丹田から動いている?」


といった感じですね。




言葉ありきではない。
けれど、言葉を使うとしたら、結局その言葉が使いやすい。
ただ、それだけ。




さて、心と身体の一致といいますのは、心と身体を一致させようというのではないんです。
良い状態の時は一致しているということです。


ということを、偶然や集中力に任せるのではなく、いつでも出来る技術として身につけましょう
というのが、私のスタイルでして、これは変な話ですけれど、


「あぁ、これは心と身体が一致しているなぁ。」と、もう一人の自分が見ている状態になります。


(厳密には、一致していたことに後で気がつく感じです。)



稽古は必要ですけど、私の生徒さんには、その経験を積むようにしてもらっています。




また、丹田から動こうというのは、それだけではなく、
丹田が動かされるように動くということをやっていきます。



このあたりは、分かりづらいかもしれませんが、
例えば、息を吸ったとき、胸が膨らみますけど、それって、息を吸ったから胸が膨らんだのか、
あるいは胸が膨らんだから空気が体に入ってきたのか・・・

解剖学的には、胸(胸郭)や横隔膜の動きが呼吸を誘導しているわけですから、
胸が膨らめば息を吸ったことになるんですけど、一般的にはピンときづらいですよね。

丹田も、同じようなことなんです。





で、最後にちょっと秘密を(笑)


実は心と身体の一致と丹田には強いつながりがあるんです。



「肚(はら)で演技する」


という言葉を聞いたことがあるでしょうか?



私は「頭(脳)で演技する」ことを戒めています。
これは、心と身体が一致しない状態ですね。



心と身体を一致させるのに、丹田・肚に脳があると思ってみるだけで、随分違ってくると思いますよ。



よろしければ、お試しを。









     4月16日 『声(音)を体に響かせる〜身体感覚を磨く 第4回』

            https://www.facebook.com/events/1411875602448249/





Body,Mind&Spirit 本当の自分の身体は天才だ!




マイムから心と身体の平和を


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