「丹田」という言葉を耳にしたことのない方は
いないと思います。
いかがですか?
一般的には、
この丹田は臍下3寸のところにあるといわれるものですね。
けれど、
丹田には、上・中・下とありまして、
「上丹田」は眉間、第三の目といわれるところ。
「中丹田」は胸。
となります。
この上・中・下の丹田、
アートマイムでの役割を見てみますと、
その特徴が分かりやすいと思います。
アートマイムといいますのは、
言葉も道具も使わず身体のみで、
内面の動きや目には見えない風景などの空間を、
物語性と共に創り出す舞台表現です。
演者は、個人的存在としてではなく、
普遍的な存在として舞台に立ち(自分を消し、身体を消す)、
見ている観客が自身の「生きる」を重ねることで、
完結する表現になります。
それは、表現者自身が「生きる」を再経験することでもあり、
そのための土台として、表現者に求められるのが
「豊かなる静寂」
になります。
その「豊かなる静寂」特に「静寂」を、
単なるイメージではなく
実体のあるものとして身体で実現するに当たって、
「下丹田」
が絶対に欠かせないんです。
そして、
「下丹田」の練られ具合が
表現の重み・厚みになる
と言えばよいでしょうか。
また、
舞台上で普遍的な存在となるためには、
「上丹田」
が開かれている必要があり、
豊かな感情表現の実現のためには、
「中丹田」
が重要となるんです。
イッちゃった感じ、
感情に振り回される
ので、注意が必要です。
さて、
アートマイムをするしないは別としましても
3つの丹田にエネルギーを持たせることに
意識を向けてみてはいかがでしょうか?
私の考えるキーポイントです。
「上丹田」は蝶形骨の解放
「中丹田」は胸骨裏側の解放
「下丹田」は腰仙関節・股関節・恥骨結合を
立体的に結んだ交差点を中心とする辺りにエネルギーを通す
あくまで身体的なポイントですけれど、
内面との結びつきにも
思いを馳せることも大事ですね。
4/22の『自分の身体を取り戻す』では
このあたりも取り上げようかと思っています。