オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

頑張りという手応えよりも、楽を求めて。

ぜひ、楽をして欲しいと思っているんですけど、
 
楽をするのは良くない!
 
そう思っている人は結構いるように思います。
 
 
表現面と肉体面と考えた場合、肉体面のほうがまずは、分かりやすいと思うんですけど、
スポーツをされている方は、こういった傾向が強いよう感じます。
 
楽をするのは良くないというのは、つまるところ、
負荷を感じなければいけないということですよね?
 
 
それは、
 
手応えを求めることになりますね。
 
 
 
けれど、例えば、包丁で何かを切るとき、手応え無くスッと切れるほうがいい。
 
それがいい包丁。
 
 
それじゃあ、切った気がしないからと、わざわざ刃の研ぎを悪くするなんて、ありませんでしょ?
 
 
それはどう考えてもおかしい。
 
 
そもそも、切り口だって、悪くなります。
そんな包丁では、量をこなすのも大変。疲れやすいでしょうし、スピードも遅いでしょう。
 
 
いいことなんて、ひとつもありませんよね?
 
何をバカなたとえを、と思われるような話ですよね?
 
 
 
けれど、思い出して下さい。
切ることの手応えだけはしっかりあるんです。
 
 
手応えを良しとするというのは、こういうことだと思うんです。
 
 
 
 
 
表現面でも同じことがいえまして、

何か自分の心に強い負荷をかけ、手応えを感じることで、表現している気分になってしまう。
 
 
 
肉体面でも表現面でも、包丁の話と同じで、
 
 
手応えというのは自分にとってのものであって、

結果は二の次になっているんですね。
 
 
 
 
言い方はキツくなりますけれど、それは本人の満足度を高めるだけ。
 
 
 
本当に結果を求めるのであれば、この手の手応えを求めるのではなく、
楽をすることが大事だと思うんですね。
 
 
 
 
で、楽ですけれど、これは単純に負荷を減らすということではないんです。
 
それで楽なのは当たり前ですものね(笑)
 
 
お分かりかと思いますけれど、同じ成果を今よりも楽に出せるようにすることが重要なんですね。
 
 
筋力アップではだめですよ(笑)
 
むしろ、筋力ダウンしても同じ成果が出るように、です。
 
 
感情表現でしたら、例えば、舞台上でその状態になれるまでの時間を半減させるといったところでしょうか。
 
 
 
 
以前にお話したことありますけれど、ある人が、ある感情を作り出すのに苦労していて、
なかなか上手くいかないし、そのために集中力も浪費してしまうようだったんですけど、
”エモーショナル・ボディワーク”の方法を試してもらったところ、
スッと楽にその状態になれたんですね。
 
 
その人は、
 
手応えがなく結果が出てしまうことに、
 
一種、罪悪感を覚える
 
ようなことを言っていましたけれど、
どの道を選ぶのか?ですよね。
 
 
 
 
ところで、表現面に関していいますと、手応えをもって出す結果と、
いまのお話のような楽に出す結果とでは、厳密には結果が違うんです。
 
 
それは、前者にはその人の頑張り、悪くいえばエゴが乗っかっていますから、純粋な感情ではない。
そういう可能性が非常に高いんです。
(あなたの演じようとしている)気持ちは分かるけれど伝わっているとはいいづらい表現です。
 
後者は、感情を出すというのではなく、その状態であることに気がつくという感じで、
純粋な感情(私のよくいう、普遍的な感情)なんです。伝わる表現です。
 
 
どちらを選ぶか?
 
 
そして、表現面、肉体面どちらにしましても、今最大限できることを、もっと楽にできれば、
その最大値も上げられますよね?
 
 
 
さて、もちろん、ただ手応えの無いことをしましょうと言っても難しいわけで、
取りつく島がないといいますか・・・
 
 
(その手の体験をさせてくれるものがありますけど、
その場で魔法を掛けられたような楽しさ、驚きを味わえるだけで、家に帰るとなす術がなく、
ただただ、その感覚を味わうためだけに、その体験を求めに行く。
その繰り返し。少なくとも、私には耐えられません。。。)
 
 
ですから、
 
同じ手応えでも、違う手応えを求めるといい
 
と思うんです。
 
 
 
それは、先ほどのよく切れる包丁でいいますと、スッと手応え無く切れる、
その中での微妙な感覚を認識していくということなんです。
 
 
もし、トマトを切ったとしまして、刃が皮に当たるとき、皮を突き破るとき、身を通るとき、
種?の周りの水分の多いところを通るとき、どんなにスッと切れるといいましても、
必ず異なる感覚でしょうし、刃の先のほうと根元のほうとでも、感覚は違いますでしょ?
 
そういった種類の手応えですね。
 
これが、ここでいう楽をするということにつながるんです。
 
 
感情表現もある意味、この延長線上にあるんです。
 
 
 
この手の手応えを、私は受け身感覚ということで、いつもお伝えしていまして、
よくない手応えには受け身感覚が希薄なんです。
 
 
自分がやっていることに夢中になり過ぎなんです。
 
 
楽というのは、ある意味、自分を見失わないことかもしれません。
 
 
 
ですから、人によっては、この楽が実は全く楽ではなく、
むしろ嫌なこと、目を逸らしたいことかもしれない。
 
結果を二の次にして、頑張っている自分に目を向けているほうが楽かもしれない。
 
 
 
本当に結果を出したいのであれば、必要なのは、

頑張りという手応えではなく、工夫だと思うんです。
 
 
 
工夫が、小手先になってしまっては問題ですけれど、
 
手応えを大事にしてしまう人は、

工夫イコール小手先

という考えがあるのかもしれませんね。
 
 
 
私のよくいう技術・テクニックというのも、言葉だけ捉えてしまいますと、
人によっては小手先と思ってしまうかもしれません。
特にエモーショナル・ボディワークのようなものは。
 
 
 
スポーツに比べ、表現は結果が曖昧ですから、
どうしても手応えイコール結果にしてしまいやすいと思うんですね。
 
 
それだけに、まずは肉体的な手応えを、よくない手応えではなく、
受け身感覚の手応えにするということから、始めてみては?と思います。
 
 
そうしますと、スポーツなどの身体能力も上がりますし、一石二鳥ですよ。
 
 
 
 
 
              明日! 4月1日


      『マイミクロスコープ 〜夜のアートマイム劇場〜』

                 http://www.theaterx.jp/15/150401-150402p.php
 
 
 
 
 
 
4月5日 『表現者のための呼吸 心と身体のワークショップ

              https://www.facebook.com/events/652119111600661

 
 
  4月16日 『声(音)を体に響かせる〜身体感覚を磨く 第4回』

            https://www.facebook.com/events/1411875602448249/
 
 
 
 
 
Body,Mind&Spirit 本当の自分の身体は天才だ!
 
 
 
 
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