バレエに代表されるダンスって、
すごく身体のライン(線)をきれいに見せてくれますよね。
いえ、きれいでなくてもいいのですけど、
いずれにしても、身体・腕や脚のライン(線)が際立ちますよね。
そこで、今回のキーワードは
線
球体
身体の使い方・・・それは運動系でも表現系でも、どちらにしましても、
皆さんが身体を動かす際に、何を意識しているか?なんですけど、
線を意識するのか?
球体を意識するのか?
みなさんは、どちらですか?
線を意識するといいますのは、腕や脚の形・ポジションなど、
自分の肉体をどうやって動かすか、どう動いているかを意識するということで、
そうですね、、、針金で作った人形をどんな形にするか?
といった意識とでも言えばいいでしょうか。
球体を意識するといいますのは、もちろん、自分の肉体を動かすのですけど、
その際、肉体そのものよりも、周りの空間への意識が強いかどうかということ。
ですから、これは、言い換えますと、
肉体を動かすのか?
空間を動かすのか?
ということになります。
その上で、もう一度。
みんさんはどちらですか?
両方という方もいらっしゃると思いますけれど、
優先順位をつけるとしたら、どちらでしょうか?
ほとんどの方が、「線」ではないでしょうか?
そんなこと考えたこともないという方も多いと思いますけれど、
そういう方も、無意識に「線」になっていると思います。
身体を動かすのに、空間を動かすなんて、あまり考えませんものね。
私もこのマイムに出会うまでは、そうでした。
アートマイム、オーガニックマイムでは「球体」が非常に重要なんですね。
「線」は線でもちろん大事なんですよ、それでも最優先は「球体」。
「線」を最優先させてしまいますと、当然ですけれど、
見ている人の意識にも、その「線」が強く届いてしまうんですね。
ですから、バレエを見ると、きれいな動きだなぁと思うわけです。
一方、アートマイム、オーガニックマイムでは、
表現内容、表現世界を最優先に届けたいものですから、
身体の「線」はあくまでそれを支えるものとして、
一歩後ろに下がっていてもらいたいんです。
これは、稽古方法に如実に現れてるように思うんです。
バレエはバーレッスンをはじめとして、
美しいポジション・動きが、何よりも基礎訓練になりますよね。
トップレベルのダンサーでも、毎日必ず欠かさず練習するそうですね。
私たちの基礎訓練は「呼吸と動きの一致」です。
(これも、一生終えることのないものです。)
この「呼吸と動きの一致」によって、
「空間を動かす」ということを学び取っていくわけです。
もちろん、「空間を動かす」という意識は重要。
でなければ、アートマイムもオーガニックマイムも何も、
やはり「線」での動きで終わってしまいます。
それだけ、身体を動かすときというのは、「線」になりやすいということなんです。
とはいえ、なかには、ごく当たり前に「空間を動かす」という感覚(ほぼ無意識です)を
持っている人もいるんですね。
センスが良いとか、独特な感性の持ち主なんていわれてしまう人ですね。
こういった人の動きをいくら真似ても、空間を感じ取れない人は、
「線」を真似てしまうだけになってしまいますから、永遠に学び取れません。
(そもそも、天性のもので「空間を動かす」ことをしてしまっている人は、
そのことを教えてくれません。教えられません。)
「線」を真似ることは、身体のよく動ける人ですと、習得は早いものの、
この「空間」の壁にぶつかる人が多かったりします。
頭が働き過ぎの人、知で捉えようとする人も、同じ壁にぶつかりますね。
一方、自然に空間を感じられてしまう人の多くは、
身体を動かすのが苦手だったりすることが、多いように感じます。
前者は、雰囲気を掴むのは下手だけれど、
身体の動きを運動神経や知的理解で掴み取れる感じでしょうか?
後者は、雰囲気を掴むのは上手だけれど、動きを学ぼうとすると、
「線」を見ようとしてしまって、訳が分からなくなりやすいようです。
けれど、諦めないで下さいね。
結局は両者のバランスですから、自分がどちらのタイプかを見極めた上で、
その得なものを活かしつつ、もう一方への意識を持つようにしてみるのがいいかと思います。
無いもの、足りないものに意識を向けてしまうあまり、
得意なものを否定してしまわないことは大事ですよね。
次回は、この「空間」には、物理的な空間という意味の他に、
内面という目に見えないものが含まれることについてお話したいと思っています。
表現力に興味のある方に、こそっと教えてあげてもらえたらと思います。
Body,Mind&Spirit
本当の自分の身体は天才だ!